新たな風を呼び起こす「+GIBIERプロジェクト」とは
近年、農作物を脅かす野生鳥獣による被害が増加しています。特に、農林水産省のデータによると、令和5年度には164億円もの被害が出ており、その背景にはクマによる人的被害もあります。この課題に立ち向かうべく、東洋製罐グループホールディングスは辻調理師専門学校や日本ジビエ振興協会と共同で「+GIBIERプロジェクト」を始動しました。
このプロジェクトは、レトルト技術を駆使してジビエの利活用を促進するもので、特に未活用のまま廃棄されているジビエ肉の有効利用を目指しています。2021年に発足した「+Recipeプロジェクト」の一環として、ジビエに特化した取り組みが進められています。
日本の食文化への貢献
日本におけるジビエの利用は期待されていますが、実際には未利用が多く見られました。捕獲されたジビエの約90%が廃棄される現実がある中で、今回のプロジェクトは新たな食材としての地位を確立することを目指しています。
レトルト技術の導入により、常温で長期保存が可能になり、より安定した供給が実現します。さらに、調理が容易で、混ぜるだけで料理が完成するというメリットも存在します。
ジビエの利用に関する課題
「+GIBIERプロジェクト」では、ジビエの利活用に直面する3つの主要課題に重きを置いています。
1.
安全性:野生鳥獣はさまざまな病原体を持っている可能性があるため、正しい衛生管理が必須です。
2.
流通と保管:捕獲されたジビエを安定的に流通・保管することが難しいという課題が残ります。
3.
手間:ジビエ調理には専門知識が必要で、調理に手間がかかる点が大きなハードルです。
目指すべき未来
「+GIBIERプロジェクト」の大きな目標は、これらの課題を克服し、ジビエを通じた新しい食の価値を創造することです。このプロジェクトを通じて、廃棄される食材を減らすだけでなく、高タンパク・低カロリーな食材としてのジビエの重要性を再認識してもらいたいという願いがあります。
新たに販売が開始された「長野のジビエ三種缶」は、このプロジェクトにおける第一歩と言えるでしょう。クラウドファンディング「Makuake」を通じて、12月1日からの販売が開始されます。
今後の展望
今後、東洋製罐グループはジビエに関する新たな価値を提供するため、さまざまな取り組みを推進していきます。これが本プロジェクトのスタートであり、私たちの社会をより良い方向へ導くでしょう。私たちもこの「+GIBIERプロジェクト」を応援し、ジビエの新たな可能性を発見してみませんか?