未来の和食。植物性出汁で挑む、世界への新たな食文化
2025年8月31日、大阪・関西万博にて、株式会社不二製油やスタートアップ3社が協力し、特別なフードコースを提供することが決まりました。このコースは、植物性食材を使用した新しい和食の形を提案するもので、世界に向けて日本の伝統食を広める試みです。
伝統と革新の融合
このイベントは、植物性技術「MIRACORE®」を軸に、不二製油株式会社が提供する食材と、NINZIA、MISOVATION、vitomの3社が持つ独自の技術を融合させたものです。特に、輸出規制という壁を乗り越えられる和食を目指すことが、このプロジェクトの大きな目的となっています。
食品輸出の課題
これまでも、日本の食品メーカーは動物性原料を使用することで多くの輸出制限に直面してきました。ヴィーガンや宗教上の制約を反映した料理の提供が求められるなかで、日本の伝統食は味を犠牲にすることがしばしばありました。しかし、「MIRACORE®」技術の導入により、植物性の原材料でも動物性食品に匹敵する美味しさを持つ製品が登場することが期待されています。
スタートアップ3社の革新
このプロジェクトに参加するNINZIA、MISOVATION、vitomは、それぞれ独自の視点で日本の食文化をテクノロジーで進化させる活動を行ってきました。
- - NINZIAは、こんにゃくの食物繊維を活用した技術で防災食や海外向けの商品を開発。例えば、伸びにくい缶詰うどんなどがその代表です。
- - MISOVATIONは、全国の味噌蔵と連携し、大豆発酵技術を用いて栄養価の高いフリーズドライ味噌汁を提供しています。
- - vitomは、保存性が高く完全栄養を持つ「おにもち」を開発し、携帯食としての新しい選択肢を提案しました。
コースの内容
今回のイベントで提供されるフードコースでは、以下のメニューが予定されています。
1.
ミライの防災食:出汁の香りを引き立たせ、こんにゃくの食物繊維を利用した「伸びにくい」うどん。
2.
ミライの介護食:30種類以上の栄養素を含むフリーズドライ味噌汁。
3.
ミライの携帯食:携帯性に優れた、完全栄養のお弁当スタイルの「おにもち」。
このように、各社の専門技術を活かして新しい和食が創出されるのです。
イベントの詳細
本イベントは、大阪・関西万博「ORA外食パビリオン 宴-UTAGE-」で開催され、各回ごとに20名限りの試食体験付きプレゼンテーションが行われます。参加は無料ですが、事前申込が必要です。
参加方法
事前申し込みはオンラインで可能です。興味のある方はぜひチェックしてみてください。各回の時間帯は15:00、17:00、19:00の3つで、約30分のプログラムとなります。
未来への展望
不二製油の「MIRACORE®」技術は、70年以上植物性素材を研究してきた実績があります。これにより、今後の和食がどのように進化するか、非常に楽しみです。植物性出汁を利用したこの新しい形の和食は、国内外での需要に応えるだけでなく、日本の伝統的な食文化を世界に広める大きな一歩となるでしょう。「未来の和食」がどのように展開されるのか、注目していきましょう。