今野醸造の吟醸醤油が全国最多受賞を更新した理由とは

全国最多受賞を誇る今野醸造の吟醸醤油

宮城県加美町に位置する有限会社今野醸造が、先日開催された「第52回全国醤油品評会」にて、最高賞である農林水産大臣賞を受賞しました。この栄えある受賞は、同社の吟醸醤油にとって7度目の受賞となり、蔵元としては通算8度目という偉業を遂げました。これは全国の醤油蔵元の中でも最多受賞の記録です。

受賞の背景

今野醸造が選ばれたのは、全国から出品された303点の中からの快挙です。少数精鋭の16名の従業員が、伝統技術を駆使し、品質重視の醤油作りを続ける中で築き上げた「吟醸醤油」は、料理人や消費者からも高く評価されています。その原点は30年前にさかのぼります。

1990年代、スーパーでの価格破壊が進む中、地方の小さな醸造元は厳しい経営環境に直面していました。そんな中、今野醸造の五代目代表取締役である今野昭夫氏は「最後の挑戦」として、心から美味しいと思える醤油を作ることを決意しました。こうして誕生したのが、現在の吟醸醤油です。

職人の技が生む品質

吟醸醤油の品質は、製造行程での徹底したこだわりによって支えられています。特に重要な工程である「火入れ」は、400種以上の香気成分を引き出し、旨味を生み出す過程で、機械任せにすることなく職人が全ての工程を見守りながら行っています。この手仕事の徹底が、華やかな香りとまろやかな旨味を実現しているのです。

料理との相性

吟醸醤油は、寿司や刺身といった繊細な和食はもちろん、和牛との相性も抜群です。和牛の風味豊かな脂を活かし、肉の旨味を最大限に引き出します。このように、醤油としての役割を忠実に果たす味わいは、様々な料理人からも支持されています。

地域とのつながり

今野醸造は1903年に創業し、世界農業遺産「大崎耕土」に抱かれた穀倉地帯に位置します。地元の農家と連携し、自社農場での原料栽培を行うことで、それに根付いた地域性をも大切にしています。今後も地域と共に成長し、次世代へと受け継がれる味を追求していくことで、日本の食文化を世界へ広げていくことを目指します。

結びに

今野醸造の吟醸醤油は、一つの哲学から生まれた渾身の一品です。過去30年の挑戦を経て、時を経ても品格を保ち続けてきたその味は、家庭の食卓だけでなく、多くの料理人に愛されています。この醤油が未来の可能性を秘めていることは間違いありません。

購入は公式オンラインショップや、宮城県内のスーパーマーケットで可能です。特別仕様ボトルも販売予定なので、ぜひチェックしてみてください！