梅干しの漬け込み最盛期を迎えた株式会社河鶴
和歌山県みなべ町に位置する株式会社河鶴では、地元産の梅を使用した梅干しの漬け込みが最盛期を迎えています。創業約50年を誇るこの総合食品メーカーは、近年の梅の不作にも関わらず、食の安定供給に向けた取り組みを強化しています。2024年に引き続き、2025年も厳しい状況が続くと言われていますが、河鶴では、地元の農家と強固な信頼関係を持ちながら、できるだけ安定した梅の調達に努めています。
梅収穫の様子
7月4日には、株式会社河鶴の代表取締役会長兼社長である河島伸浩が自社工場を訪れ、梅干しの漬け込み作業に取り組むスタッフたちと共に汗を流しました。また、提携している農家でも梅の収穫作業が行われ、実った梅の果実が美しく輝いていました。地元農家の協力があってこそ、梅干しの品質を保つことができるのです。
飛躍する製造能力
カワツルの工場では、年間を通じて梅干しの生産が行われ、1日あたり最大5トンの梅干しを製造しています。繁忙期には、なんと20,000パックを超える梅干しが毎日市場に出荷されます。確実な供給を実現するために、20件以上の契約農家から直接梅を仕入れ、工場を効率的に運営しています。この独自の供給モデルこそが、カワツルの強みです。
不作の影響とその対策
2025年の梅の不作は、低温や強風、さらにはひょうによる被害が大きな要因となっています。和歌山県では、過去10年で最大の被害額を記録しましたが、河鶴ではそんな厳しい状況下でも、品質本位のものづくりを続け、全国の食卓に梅干しを届けることに全力を注いでいます。代表取締役の河島は、「農家の皆さんのたゆまぬ努力に感謝し、一部でもしっかりと梅を守り、食卓に届けることが私たちの使命」と語ります。
「二度漬け製法」のこだわり
カワツルの梅干しの製造工程で特徴的なのは、「二度漬け製法」です。この方法では、梅本来の風味を最大限に生かしながら、豊かな味わいを実現します。梅の調味は一度ではなく二度に分けて行い、梅本来の味を損なわないように丁寧に仕上げています。こだわりのある製法だからこそ、梅干しの品質が保たれ、消費者からも高い評価を得ています。
和歌山県みなべ町の魅力
全国一の梅の産地として知られる和歌山県みなべ町は、高品質な南高梅の生産地です。河鶴が誇る梅干しは、地元の契約農家から仕入れた新鮮な梅を使用し、付加価値の高い製品として市場に流通しています。地産地消をテーマにしたこの取り組みは、地域の活性化にも寄与しています。
今後の展望
2025年は梅の不作が心配されていますが、河鶴では、それでも変わらぬ品質の梅干しを提供するために、製造プロセスや供給体系の改善に努めていく所存です。地域と共に歩み、梅干しの魅力を広めながら、皆さまの食卓に安心と美味しさを届けるため、今後も努力を続けます。これからも、和歌山の梅干し文化を守るための挑戦を共にしていきましょう。