丹波篠山の特産「丹波黒」が最盛期を迎えています
兵庫県丹波篠山市で特産の黒大豆「丹波黒」の出荷が最盛期を迎え、寒暖差のある気候と豊かな土壌が生み出す逸品として全国へとその名を広げています。この時期、丹波篠山市では真っ茶色になった黒大豆が収穫され、大型のはさみで刈り取られる光景が見られます。
丹波黒の特徴と魅力
「丹波黒」は、まさに日本一とも称される大粒の黒大豆で、特徴的なふっくらとした食感と甘みのある風味が魅力です。粒が大きく、煮ても皮が破れにくいため、特にお正月のおせち料理には欠かせない食材として重宝されています。この黒大豆は、1700年代の江戸時代から幕府への献上品としても知られ、歴史ある栽培が行われてきました。
実際の栽培方法は、一般的な黒大豆が開花から成熟するのに約70日かかるのに対し、丹波黒は約100日と長い時間をかけて成長します。これにより栄養素がたっぷりと蓄えられ、他の黒大豆にない特別な味わいが生まれます。手間暇かけた分、おいしさは格別です。
十二月の作業と気候条件
収穫作業は12月の寒さが厳しくなる頃に行われ、十分に成熟した豆が祭りのように市内各地で刈り取られます。今年は夏の猛暑や少雨の影響で生育が少々遅れましたが、最近の冷え込みが豆の熟成に拍車をかけ、例年通りの甘味を保持した大粒が出荷されることが期待されています。
日本農業遺産としての認定
丹波篠山市の「丹波黒」は、令和3年に「丹波篠山の黒大豆栽培~ムラが支える優良種子と家族農業~」として日本農業遺産に認定されました。その伝統的な栽培技術は現在も多くの農家によって受け継がれ、品質が保証された本物の黒大豆が作り出されています。最近では、他の地域でも「丹波黒」と名乗る黒大豆が栽培されていますが、やはり本家本元の丹波篠山の「丹波黒」が持つ風味と食感は、他に類を見ないものです。
黒豆奉納・丹波篠山出発式
そしてこの冬、丹波篠山では「黒豆奉納丹波篠山出立式」が開催されます。江戸幕府に献上された歴史的な背景を持つこのイベントでは、地域の人々や観光客が集い、黒豆文化を祝い、未来へつなぐひとときを過ごします。丹波篠山の自然と食文化の豊かさを体感できる貴重な機会です。
開催詳細
- - 日時: 令和7年12月9日(火)10時30分~11時30分
- - 場所: 篠山城跡 三の丸広場
- - 参加費: 無料
- - 駐車場: 篠山城跡 三の丸西駐車場
丹波黒の収穫とその魅力をぜひ体験してみてください。この冬、丹波篠山の特産品をお楽しみいただき、地元の文化や自然に触れて新たな発見をしてみてはいかがでしょうか。