クラフトサケ用のリソースから新たな蒸留酒を作り出す
秋田県男鹿市に新たに誕生した「早苗饗(さなぶり)蒸留所」は、廃棄されがちな酒粕を原料に用い、新たな価値を生み出す蒸留酒の製造に挑戦しています。この新しい試みを行うのは、地域に根ざしたものづくりを展開している「稲とアガベ株式会社」の関連会社、株式会社SANABURIです。彼らは、酒造りで生じる副産物から、新しいお酒を生み出そうという「SANABURI構想」を掲げています。
「早苗饗蒸留所」の誕生
2022年に開設された「SANABURI FACTORY」に続き、廃棄リスクの高い素材を活用する理念のもと、今回の蒸留所の設立が決まりました。「早苗饗」では、酒粕から抽出したアルコールを使用し、スピリッツやジン、リキュールなど多彩なお酒を製造する予定です。
新しい価値の創造
発酵マヨなどを通じて食材の価値を引き上げるプロジェクトが続いている中、早苗饗では特に酒粕に注目しています。この酒粕は通常廃棄されてしまうことが多いため、それを新たな蒸留酒へと変換することには大きな意味があると考えているのです。
実験酒『SANABURI SPIRITS 山椒 prototype01』
開業を祝して、早苗饗では第1弾の商品として、和歌山県有田川町のかんじゃ山椒園の山椒を用いたスピリッツ『SANABURI SPIRITS 山椒 prototype01』の予約販売を行います。この商品は、爽やかな柑橘系の香りと和山椒の独特の風味を楽しめる、数量限定の逸品です。予約受付は2月5日からスタートし、発送は2025年5月予定です。
地域とのつながり
このスピリッツの開発には、かんじゃ山椒園が携わっており、共同発起人の井上豪希氏はその背景にある地元・有田川の文化や農業へのリスペクトを込めています。地域の農業を支援し、持続可能なものづくりを模索する姿勢は、SANABURIの理念にも深く浸透しています。
未来へ向けて
実験酒のリリースに続き、3月には第2弾、4月には第3弾の発表も控えており、ますます注目を集めることでしょう。酒粕の新たな利用法として、SANABURIの蒸留所がどのように進化していくのか、要注目です。これからも、美味しいスピリッツで料理とも絶妙にマッチするお酒を展開し、多くの人々に楽しんでもらえるよう努めていきます。ぜひ、新たな日本酒文化の発信をお楽しみに!