森永乳業が新技術でコーヒー飲料の風味を革新

森永乳業は、食の新たな可能性を追求する中で、「RTD（Ready to Drink）コーヒー飲料製造への実用化に向けた水蒸気アロマ抽出技術」の開発に成功しました。この技術は、令和7年度日本食品科学工学会において「技術賞」を受賞するに至りました。授賞式は2023年8月27日、神奈川県藤沢市の日本大学湘南キャンパスで行われ、多くの注目を集めました。

水蒸気アロマ抽出技術とは？

水蒸気アロマ抽出技術は、食品の持つ風味を最大限に引き出すために開発された革新的な方法です。森永乳業の研究チームは、特にミルクコーヒーにこの技術を应用し、揮発性成分の組成を変化させることで、よりリッチで多様なフレーバーを実現しました。また、研究結果から、蒸留時の水蒸気の冷却温度を調整することで、異なる香りの抽出が可能であることが明らかになりました。

この新技術を活かすことで、製品の風味設計の幅が広がり、より本格的なコーヒーの香りを楽しむことができる商品が誕生しました。たとえば、いくつかの製品でこの技術が活用されており、消費者の官能評価によってもその風味の強さが確認されています。

受賞背景と学会概要

公益社団法人日本食品科学工学会は、食品に関する科学や工学の研究を促進し、国民の食生活向上を目指しています。今回の「技術賞」は、実用的な成果を上げた企業や共同研究者に贈られるもので、森永乳業は今後の製品開発に対する可能性をさらに広げる結果となりました。

環境への配慮も忘れずに

水蒸気アロマ抽出技術は、ただ美味しさを追求するだけでなく、環境負荷の低減にも寄与しています。コーヒーの風味をより引き出すことで、製造過程で生じるコーヒー抽出残渣の量を減らすことが可能となるため、持続可能な製品作りへも貢献しています。

今後の展望

森永乳業は、この技術をさらに進化させ、マウントレーニアシリーズの製品ラインナップを拡充させる計画です。すでに、2022年秋から4品目にこの技術を実装し、消費者に新しい飲料体験を提供しています。今後も新たな商品開発に向けて、研究と技術の向上に注力し、より高い品質の製品をお客様にお届けしていくことを目指します。

新たなフレーバーの可能性を探求し続ける森永乳業の行動は、消費者の嗜好の変化にも敏感に対応し、より良い食体験を提供する力となるでしょう。