令和のコメ騒動を解明する新著『コメ壊滅』の衝撃とその背景

令和のコメ騒動を考察する新著『コメ壊滅』の内容

2024年に突如として現れた「令和のコメ騒動」は、私たちの食卓に直結する重大な問題として注目を集めています。日本でコメの価格が急騰し、品薄状態が続く中、農水省は「コメは足りている」と主張する一方で、現実は異なり、多くの人々がその影響を感じています。この騒動の背景や問題点をあぶり出したのが、山口亮子著の新刊『コメ壊滅』です。

コメ不足の根本原因

著者の山口さんは、長年にわたり農政の問題に切り込んできたジャーナリストであり、本書では日本のコメ不足がどのようにして生じたのかを丁寧に解説しています。特に農水省が公表した公式文書によると、2021年以降、供給量が需要を下回っている現実が明らかになっており、この構造的な問題がここ数年でいかに進展したかに焦点が当てられています。

%%農水省のウソの証拠%%
本書では、政府の取り組みに対し、「農水省はウソをついている」と鋭く指摘。特に、温暖化や異常気象などが生産量に影響を与えているものの、根本的な原因は「減反政策の失敗」にあるとしています。これは、コメの需要が減少するとの誤った予測に基づいて、主食用米の生産量を減らす方向に政策が進められ、その結果、今の状況が生まれたことを意味しています。

誰が責任を負うのか？

また、著者は歴代の政治家にもその責任があると指摘します。例えば、2009年に農相を務めた石破茂氏は、減反政策の見直しを提言しましたが、それが実現しなかった背景には、政治的な駆け引きがあったことが浮かび上がります。その後の民主党政権下では、農業者個別所得補償制度が導入され、結果として構造的な問題を生む原因となりました。

農業政策の未来

本書を通じて、著者はコメ不足は単なる過去の問題ではなく、今後も繰り返される可能性があることを警鐘しています。農水省は一見、減反政策から増産に舵を切ったようですが、生産調整機能は残されており、これでは本質的な解決には至りません。社会主義的なシステムが続く限り、コメを巡る問題は未来においても持続すると著者は警告しています。