日本の食品業界を強化する新サービス
リーガルテックグループ株式会社は、子会社のJAPAN MADEを通じて、食品メーカーの海外輸出を支援する新たなサービス「HyperJ × Tokkyo.AI」を発表しました。このサービスは、食品業界が直面する二つの大きな課題、すなわち「品質証明の課題」と「技術流出リスクの解決」を同時に狙ったものです。
背景:食品輸出を取り巻く現状
日本の食品業界は、特に海外市場での競争が激化しています。EUや中東、アジア諸国では安全規制が厳しく、品質証明や原産地証明の要求が高まっています。さらに、持続可能な調達証明やESG(環境・社会・ガバナンス)への対応が必要とされる中、日本の食品メーカーはその認証取得にも苦心しています。
また、OEM委託や海外販売時には、技術の模倣リスクも増大しています。保存技術や包装構造などが無防備なまま流失することは、価格競争に巻き込まれる大きな要因となっています。
新サービス「HyperJ × Tokkyo.AI」の紹介
HyperJ
HyperJのサービスは、製造履歴や成分情報をブロックチェーン技術を活用して一元的に証明します。原材料の調達地や加工工程、検査結果をNFTまたはQRコードとして製品単位で証明可能です。これにより、海外バイヤーはQRコードを読み取ることで、製品履歴を即座に確認できます。さらに、ハラール認証やサステナブル素材使用といったESG情報も併せて提供できます。
Tokkyo.AI
Tokkyo.AIは、技術優位性を保護するための特許出願支援を行います。現地向けの仕様に合わせたパッケージや処方技術を差別化特許として出願することで、自社製品の独自性を強化します。AIを活用して、競合他社との構造差や機能差を視覚化し、販売資料に活用することも可能です。これによって、知的財産の保護を図り、価格競争からの離脱を実現します。
具体的な活用例
例えば、ある中堅の調味料メーカーでは、東南アジア向けの製品に対してHyperJを利用して原料や製法、包装情報の証明を行いました。加えて、現地OEMメーカーとの交渉の際に、Tokkyo.AIを介して包装技術の特許出願を行い、製品の差別化に成功しました。この取り組みの結果、輸出先の小売からの採用率の向上と模倣リスクの低減が同時に実現しました。
導入によるメリット
新サービスを導入することで、「安全」「品質」「真正性」を顧客に証明することができ、信頼獲得につながります。加えて現地パートナーやバイヤーとの交渉力も強化され、長期的なブランド構築が可能となります。これにより、日本の食品産業はグローバルな舞台でも競争力を持ち続けることが期待されます。
今後の展望
今後、冷凍食品や即席食品、伝統食品などのさまざまな業種に具体的なサービスを展開していく予定です。また、輸出支援機関や地方自治体との連携を深めながら、導入支援プロジェクトも推進することが計画されています。このように「安心の見える化」と「技術の守り」を実現する新しいインフラとして、HyperJとTokkyo.AIが日本の食品業界を支えることを目指しています。