大麦スイーツ専門メーカーが切り拓く健康・環境価値の未来

大麦スイーツ専門メーカーが切り拓く新しい道

栃木県足利市に本社を置く株式会社大麦工房ロアは、唯一無二の大麦スイーツを生産するメーカーです。大麦は、一般的にはビールや焼酎などの主原料として知られてきましたが、ロアでは大麦を利用したスイーツ作りに挑戦してきました。今回は、同社の特色や商品の魅力、さらに地域のお農家との連携についてご紹介します。

大麦への情熱から始まった挑戦

代表取締役の浅沼誠司氏は、1995年に大麦を利用した新たなお菓子作りを研究し始め、1997年には小麦を一切使わない「大麦ダクワーズ」を完成させました。小麦粉の代わりに大麦粉を使用することで、グルテンフリーのスイーツを実現。健康志向の高まりと共に、栄養価の高い大麦に注目が集まり、同商品は瞬く間に人気を博しました。

沢山の賞を受賞したいきさつ

当初は多くの困難がありましたが、同社の努力は評価を受け、2008年にはNHK「小さな旅」で特集されるなどメディアでも取り上げられました。また、東京商工会議所が主催する「勇気ある経営大賞」や、栃木県の「とちぎ産業活力大賞」など数々の賞を受賞しました。これにより、大麦工房ロアは急成長を遂げ、2025年には年商45億、従業員数200名にまで成長しています。

大麦の健康効果

最近の研究で、大麦には様々な健康価値があることが確認されています。アメリカのFDAは、大麦が「血中コレステロールを下げる」効果や心臓病、糖尿病予防に役立つ可能性があることを認可しています。また、大麦に含まれる水溶性食物繊維、β-グルカンが食後の血糖値上昇を穏やかにすることも報告されています。さらに、腸内環境を整えることで免疫力向上や脳の健康にも寄与することから、その多様な効果が各メディアで取り上げられるようになっています。

地域と一体となった取り組み

ロアはその成長の背後に、地域の農家との連携があることも見逃せません。高齢化が進む農家を支えるため、農業法人（株）大麦工房アグリを設立し、耕作放棄地の再生活動にも取り組んでいます。このように地域農業と深く関わり、社会に貢献する姿勢が、多くの人々に支持されているのです。大麦の栽培から製造、販売までを一貫して行う同社のモデルは、持続可能な社会作りに一役買っています。