大河原町の新たな挑戦、規格外梅の可能性
宮城県大河原町で取り組まれている新しい商品開発プロジェクトが、地元の魅力を全国へ発信するための重要な一歩となっています。レッドホースコーポレーション株式会社が手がけるこのプロジェクトでは、規格外の完熟梅を利用した加工品『大河原完熟梅』が誕生しました。
この取り組みの背景には、地域内の農作物を活かすための地域創生の志があります。大河原町では、廃棄される運命にあった完熟梅を買い取ることから始まりました。それによって実現された加工品は、4月の『おおがわら桜まつり』や6月の『おおがわら梅まつり』で披露され、多くの方々から好評を得ました。特に試食を行った際には全アイテムをまとめて購入される方も多く見られ、地元の人々からも大きな支持を受けています。
商品開発セミナーから始まった新たなプロジェクト
このプロジェクトの出発点は、2024年4月に開催された商品開発セミナーでした。当社の商品開発部長が講師を務め、生産者たちが参加しました。セミナー終了後、多くの生産者が「ぜひ、私たちの材料を使った商品を作ってほしい」と熱意を表明しました。
その後、特に堤梅団地の梅の生産者が注目を浴びました。堤梅団地では、高齢化の影響で組合員が減少し、収穫しきれない梅が毎年500kg以上も廃棄される事態が続いていました。この状況に対応するため、当社が規格外の梅をピューレに加工し、さまざまな商品へと変身させたのです。
地域の伝統を再現した梅ジャムなど、多彩なラインナップ
特に注目されるのが復刻された「梅ジャム」です。この商品は昔、大河原生活研究グループの女性たちによって作られてきたもので、多くの人々に愛されてきた伝統的な味を再現しています。地元の方々からは、「懐かしい味」と評価され、若い世代からは新鮮な体験として受け入れられています。
他にも、「完熟梅甘酒」は地元産「つや姫」を使ったノンアルコールの飲み物で、まろやかな甘さと梅の酸味が絶妙にマッチしています。また、ノンオイルの「梅こうじドレッシング」は、さっぱりした味わいで、多様な料理に合うことで好評を得ています。これらの商品は現在、町内の「とんとんの丘 もちぶた館」で購入可能です。
地域資源を活かした持続可能な開発へ
当社は、地域の特性を活かした商品開発を通じて、地域活性化を目指しています。全国の自治体と協力しながら、様々な商品を開発しており、地域の食文化や生産者を支援しています。それによって人々の生活が豊かになるような商品づくりを行い、地域という枠を超えたブランド作りを進めています。
このような取り組みを通じて、「梅のまち 大河原」が全国的に知られるようになる日も近いかもしれません。新たな地場産品の開発は、地域の魅力を再発見し、活性化に向けた一助となることでしょう。私たちも、地元の宝が生まれ変わる瞬間を見守っていきたいと思います。