アース製薬、政策意見交換会での発表の全貌
2025年11月13日、大阪大学中之島センターで開催された「科学技術政策のための意見交換会」にて、アース製薬の執行役員でMA-Tビジネスセンター長の桜井克明が登壇しました。このイベントは、内閣府と大阪大学により主催され、全国の産学官関係者が集い、科学技術に関する重要な意見交換を行うことを目的としています。
本会合は、第7期「科学技術・イノベーション基本計画」の策定の一環であり、参加者は広く意見を交わし、社会実装や地域エコシステム形成について活発な議論が行われました。桜井氏は、「酸化制御共創コンソーシアム」の事例を紹介し、日本の誇る酸化制御技術「MA-T®」を基にした産学官連携の重要性について意見を述べました。
産官学の意見交換
意見交換では、以下のようなテーマが取り上げられました。
- - 研究成果の社会実装を加速するための共同研究の大型化やコンソーシアムの展開
- - 基礎研究からの社会実装を見据えた研究設計とそのロードマップ化
- - 知財、標準化、レギュレーションに関する統一的なマネジメント体制の構築
これらの課題について、桜井氏は『知財ガバナンス』と『政策連携』を通じてグローバル市場での競争優位性を確立することの重要性を訴えました。
MA-T技術の社会実装
桜井氏は発表の中で、次のようにコメントを寄せました。「MA-T®は日本製の技術を、産学官の協働によって社会に実装してきた先進的な取り組みです。MA-T工業会には115社の企業と大学が参画しており、これにより『解決したい社会課題』を共有することができています。MA-T®の特性上、知財の取り扱いは敏感な問題ですが、私たちは大阪大学と連携し、責任を持って対処していきます。」
アース製薬は今後も、日本MA-T工業会や大阪大学を含む産学官パートナーとの連携をもとに、MA-T®技術の国内外における価値の発信を強化していく方針です。感染対策や医療、環境分野での活用を通じて、人々の健康で快適な暮らしを支えることに注力していきます。
MA-T®とは
MA-T®(Matching Transformation System®)は日本初の酸化制御技術で、必要な時に必要な量の微量ラジカルを安定的に生成します。この技術は、高い除菌・消臭性能と安全性が特徴であり、医療や歯科、介護、食品衛生、宿泊・航空サービスなど幅広い分野で導入されています。アース製薬は2020年11月に一般社団法人日本MA-T工業会を設立し、技術の品質保証制度の構築や共同研究、国際基準の策定に向けた取り組みを展開中です。
さらに、アース製薬はMA-T®の取り組みにより、内閣府の「第6回日本オープンイノベーション大賞」で総理大臣賞を、ジャパンレジリエンスアワードで国土強靱化担当大臣賞を受賞しており、社会実装の推進に貢献しています。