フードロス削減に向けた新たな挑戦
東京に本社を構えるオイシックス・ラ・大地株式会社が、キリンビール株式会社とのコラボレーションによって「モッタイナイ!を、おいしい!に。プロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトは、フードロス削減と地域農業の支援を目指し、両社が持つ強みを活かしながら規格外の果実を有効活用していくものです。
モッタイナイ果実の価値
キリンビールは2024年5月に「キリン氷結®mottainaiプロジェクト」を開始し、廃棄される運命にある規格外果実を「モッタイナイ果実」と名付け、氷結®mottainaiシリーズを展開しています。オイシックス・ラ・大地はこれを受け止め、彼らのミールキット「Kit Oisix」や氷結®とのコラボレーション商品を開発することで、食を通じた持続可能な未来を目指します。
このプロジェクトの目標は、2027年までに年間250tのモッタイナイ果実を削減し、100軒の生産者が賛同、さらには1200万人の消費者に参加してもらうことです。実現すれば、国内のフードロス問題に大きく貢献することになるでしょう。
産地の課題に向き合う
オイシックス・ラ・大地は「これからの食卓、これからの畑。」を企業理念に掲げ、創業以来フードロス問題の解決に取り組んできました。昨今、農業は猛暑や豪雨、台風などによる天候の変化や、人件費の高騰などさまざまな課題に直面しています。特に、今回のプロジェクトはそのような生産者の苦境を支えることにもつながります。
同社は千数百の農家と日々コミュニケーションを取りながら、規格外品を有効利用する新しい商品の開発を進めています。生産者と消費者の双方のニーズに応えることで、三者ともに喜ばれる「三方よし」の取り組みとしてその価値を高めていくのです。
具体的な取り組み
オイシックス・ラ・大地は過去数年間で、家庭でのフードロスを減少させるために多くの施策を実施しています。その一つが、「おたすけOisix」と呼ばれるサービスです。このサービスでは、天候や流通の影響で規格外とされる商品を特別価格で販売することで、消費者にとってもお得な選択肢を提供しています。
また、「Upcycle by Oisix」は、以前は捨てられていた食材に新たな価値を付加し、消費者に提供する取り組みです。このプロジェクトは多くの生産者との協力を進め、食品製造業や外食産業とも連携しながら進化してきました。その結果、2023年にはグッドデザイン賞を受賞するなど、成果を上げています。
持続可能な食未来への道
フードロス削減を目指すことは、単に食品が廃棄されないことを意味するだけではありません。オイシックス・ラ・大地は、次世代へ向けた持続可能な食環境の実現に向け、多様な取り組みを続けています。今後も新しい食材や商品を開発し、消費者においしさや驚きを提供し続けることで、食の未来を明るいものにしていくことでしょう。
このような革新的な取り組みを通じて、私たちの食卓がより豊かになり、消費者も安心して選べる食材が揃う世界を作ることが期待されています。他社との連携を深めながら、フードロス削減につながるアイデアや施策を普及させていくことが重要です。持続可能でおいしい食の在り方を一緒に考えていきましょう。