厚みを増す着物の可能性に迫る
2026年3月、渋谷の「Gallery LE DECO」で、着物アーティスト重宗玉緒の個展「拡張するキモノ―EXPANDING KIMONO―」が開催されます。この個展では、伝統的な着物の概念を超えた新たな試みが展開される予定です。重宗の作品は、これまでにメルボルンの国立美術館を含む海外の主要な美術館からも高い評価を受け、多様な展示が行われてきました。
展示の背景
重宗玉緒は、長い間、着物とその表現の枠を超えることに挑戦してきました。着物は、洋服と比べてもその形が決まっており、身体や生地のサイズによって制約があります。それゆえ、重宗はこの「枠」からの解放を求め、作品制作を続けてきました。
2025年には、オーストラリアのNational Gallery of Victoriaに作品が収蔵され、約4か月間の展示が行われました。このような国際的な舞台での経験が、重宗に新たな着想をもたらしました。着物を「平面から立体へ、そして4次元へと拡張する」というアイディアは、彼の新しい作品で表現されます。
制作テーマの変遷
これまでの重宗の制作テーマは、「メメント・モリ」に基づいています。このテーマは、生と死の境界や身体感覚を扱った内省的な作品が多く見られました。しかし、「拡張するキモノ」という新たなテーマは、より外向きの表現へとシフトしています。この展覧会では、空間、身体、映像を融合させた新しい表現が展開され、着物を通じて内面と外の世界がつながる新しい回路を提示します。
個展の詳細
個展は2026年3月3日から8日までの期間中、渋谷で行われます。通常の開場時間は、3月3日から6日は13:00から19:00、7日は11:00から19:00、最終日の8日は11:00から17:00です。会場は全て無料でアクセス可能で、JR渋谷駅の新南口から徒歩3分と便利な場所に位置しています。
展示内容は、アート作品や映像作品、着物の原画など多岐にわたり、特に「拡張するキモノ」シリーズに注力しています。さらには、着物の原画や新作の展示・販売も行われ、観覧者は着物というメディアが持つ現在の形を体感することができます。開期中には、重宗本人も在廊予定で、直接作品についての思いや背景を伺うチャンスもあるでしょう。
アーティストについて
重宗玉緒は、テキスタイルデザインを学んだ背景を持つ着物・オブジェアーティストです。彼女は、友禅染めや型染めなど多様な技術を用いて、着物や帯、オブジェを制作しています。その作品は、どれも彼女の独自の見解やデザインが反映されています。彼女はこれまでに、着物を通じてのファッションだけでなく、アートディレクションやスタイリングなど多岐にわたって活動を展開してきました。
結論
重宗玉緒の個展「拡張するキモノ」は、伝統的な着物に対する新たなアプローチを探る貴重な機会です。着物を単なる衣服と捉えるのではなく、アートとして、また新たな視点から理解するチャンスといえるでしょう。渋谷でのこの展示を通じて、あなたも重宗の世界を体験してみてはいかがでしょうか?