子どもたちを守る！音楽ライブでの聴覚保護の新たな取り組み

音楽フェスティバルと聴覚保護の重要性

音楽ライブの楽しさを子どもたちと共有するためには、聴覚の保護が欠かせません。近年、日本国内で開催される音楽フェスティバルやライブコンサートにおいて、子供向けのイヤーマフの導入が急速に進んでいます。特に、NPO法人日本ミュージックフェスティバル協会（フェス協会）が行う「イヤーマフ・レンド・プログラム」が注目されています。このプログラムは、音楽フェスやライブの会場で、子どもたちが安心して音楽を楽しむことができるよう、耳を守るためのイヤーマフを無料で貸し出すものです。

国際的な流れを受けて

この流れは、2018年にWHOが発表した騒音に関するファクトシートがきっかけとなりました。以来、世界中で聴覚保護の重要性が広まり、様々な施策が整備されています。日本でもこの流れに乗り、アーティストたちが率先して子ども向けイヤーマフの導入を進めるようになりました。サカナクションやYOASOBIを始めとする多くの著名アーティストのライブでは、このイヤーマフの無償貸し出しが行われ、家族全員で楽しむことができる取り組みが整っています。

数字で見る活動の広がり

実際に、2023年度には17回、2024年度には30回にわたって、このプログラムが実施されています。利用者の97%が必要と感じているとのデータもあり、アーティストやフェスの主催者からの期待が高まっている証拠でしょう。特に、サカナクションの「SAKANAQUARIUM 2024“turn”」やYOASOBIの「5th ANNIVERSARY DOME LIVE 2024 “超現実”」では、高い関心を集めました。

フェス協会の活動と協力

日本ミュージックフェスティバル協会は、2022年からこの活動を開始し、着実に活動規模を拡大してきました。フェス協会の会長を務める菊地崇氏は、「子どもが楽しく、安全に音楽を楽しめる環境を作りたい」と語っています。また、多くの企業やボランティアとの連携によって運営されているこのプログラムは、継続的な支援が不可欠です。

具体的な実施内容

「イヤーマフ・レンド・プログラム」では、様々な音楽フェスやライブでブースを設定し、参加する子どもたちへのイヤーマフの貸し出しを行っています。貸し出し時、保証金として1,000円が預かり返却時に返金される仕組みです。この取り組みは、2025年もさらに広がる予定で、全国各地で実施されるフェスにおいて、喜ばれている内容となっています。

さまざまなイベントでの展開

また、昨年実施された「結いのおと」「ARABAKI ROCK FEST.24」「SWEET LOVE SHOWER SPRING 2024」など、多数のイベントでもこのサービスが展開され、昨年は特に多くの家族が参加しました。これにより、音楽を楽しむ全ての人々に対して思いやりのある環境が生まれました。

未来に向けて

子どもの聴覚を保護する活動が広がることで、音楽ライブが家族全員にとってより楽しい体験となります。耳を守りながら素晴らしい音楽に触れられる環境を提供するために、引き続き支援企業を募集し、関心のある方はぜひ協力していただきたいと思います。詳細は日本ミュージックフェスティバル協会のオフィシャルサイトで確認できます。