磐田市、ヌートリア捕獲とジビエ活用の新しい挑戦
静岡県磐田市が、静岡県西部猟友会磐田分会、静岡県立農林環境専門職大学、遠州中央農業協同組合と連携協定を結び、ヌートリアに関する新たな取り組みを開始しました。この協定は、2022年頃から市内で目撃情報が増加しているヌートリアの繁殖を防ぎ、生態系や農業に及ぼす影響を軽減することを目的としています。
ヌートリアとは?
ヌートリアは南米原産の哺乳類で、近年、日本各地で目撃されています。水辺で生活し、植物を食べるため、農業や生態系に悪影響を与えることが懸念されています。今回の取り組みは、これらの問題を解決する手段として、捕獲と利用を根本的に見直すものです。
協定の内容
新たに締結された「ヌートリアの捕獲及びジビエ利活用に関する連携協定」では、以下のような各機関の役割が定められています。
1.
磐田市
- 捕獲許可の手続き
- 捕獲データの記録
- 関係機関との調整
2.
静岡県西部猟友会磐田分会
- ヌートリアの捕獲
- 捕獲データの作成
3.
静岡県立農林環境専門職大学
- ジビエとしての食材活用の研究
- 個体データの収集
4.
遠州中央農業協同組合
- 被害情報の集約
- 農業者への注意喚起
この協定の中で、特に注目されるのは、捕獲と共にヌートリアをジビエとして利用するための研究が進められる点です。先日、市ではヌートリアを使ったソーセージやトマトの煮込み料理が試食され、参加者からはその味に肯定的な反応が寄せられました。
料理を通じた新たな発見
試食会では、ヌートリアのソーセージとトマト煮込みが提供されました。市長の草地博昭氏は、「この料理はクセがなく、鶏肉に似た食感があり、美味しかった」と評価。また、ジビエとしての利用の可能性についても期待を寄せていました。
「コストなどの課題はありますが、この取り組みが地域に新しい食文化をもたらすことを願っています」とのコメントもありました。
今後の展開
この協定は2025年度末まで有効で、今後は捕獲データによるヌートリアの生息状況や行動パターンを把握し、生態系への影響を最小限に抑えながら、効果的な対策を講じていくことが期待されています。ジビエ料理に関する研究が進むことで、地域の新たな資源としてヌートリアの価値が見直され、地元経済の発展にも寄与する可能性があります。
磐田市のこの取り組みは、環境保護と地域活性化という二つの面で大いに注目されるべき試みです。これからの進展から目が離せません。