奈良屋本店が奈良県のSDGsアドバンス企業に認定
昭和22年創業の奈良屋本店は、最近奈良県のSDGs企業認証制度で上位区分の「アドバンス企業」に認定されました。この評価は、地域の伝統を守りながら、持続可能な取り組みを進めていることに基づいています。特に、使用済みの酒粕を利用したアップサイクルや、地産地消の取り組みが高く評価されました。企業としての倫理と社会的責任を果たすために、今後も環境負荷の低減に向けた努力を惜しまない姿勢が期待されます。
地産地消の重要性
奈良屋本店が地産地消に取り組み始めたのは25年前。この当時、地元の農家との信頼関係を築くことが重要だと感じ、大和丸茄子や三尺胡瓜といった奈良特産の野菜の栽培を復活させることから始めました。使用している酒粕は、春鹿酒造のもの。奈良の豊かな水脈を活かした清酒とともに、地域の食文化を引き継いでいます。地元の素材を使用することで、奈良の食を次世代に伝え続けているのです。
JAS認定の品質
奈良屋本店は、奈良県内で唯一のJAS(日本農林規格)認証を取得した奈良漬の製造メーカーです。OEM依存ではなく、全工程を奈良県内で完結させ、高い品質基準をクリアした安心安全な製品を提供しています。これは食文化を守るための責任を果たす一環でもあります。
科学的な裏付けと研究
奈良屋本店は、奈良先端科学技術大学院大学との共同研究を行っており、奈良漬からは「フルクチバシラス・フルクチボランス」という乳酸菌が92.2%検出されました。この乳酸菌が、発酵過程で奈良漬特有のまろやかさや深いコクを形成しています。科学の力を借りて、奈良漬の魅力を一段と深めることで、新たな価値を提供しています。また、使用済み酒粕には機能性成分GABAが含まれており、健康面でも注目されています。
新しい挑戦と挑戦
奈良屋本店はさらに、新たな野菜を使った奈良漬の開発にも取り組んでいます。例えば、古都華いちごを使った奈良漬の試作は、芳醇な酒粕の香りといちごの甘酸っぱさが見事に調和した新しいスイーツのような味わいです。また、自然農法による「菊芋」や「ヤーコン」の試作も行っており、新しい商品を次々と発表しています。これにより、地元農業との連携がますます強化されています。
奈良文化を届けるパッケージ
奈良屋本店は、赤膚焼・大塩正人窯とのコラボレーションによる新しいパッケージの開発も進めています。伝統美を表現した「奈良絵」をモチーフにして、奈良漬を単なる食品ではなく、奈良文化の一部として提案する取り組みです。観光やギフト需要にも応えることで、奈良の魅力を広めます。
未来への展望
奈良県の農産物は全国的に見ても厳しい状況に置かれていますが、奈良屋本店では「奈良野菜を奈良の伝統食品に」という理念を掲げ、生産農家との協力を強化しています。持続可能な商品の提供を目指し、効率よりも効果的なものづくりを追求し、奈良の魅力を世界に発信していく方針です。1300年の歴史を持つ奈良漬文化を未来に繋げるため、今後も挑戦を続けていきます。
会社概要
奈良屋本店の所在地は奈良市紀寺町1060で、奈良漬製造販売や酒粕のアップサイクル事業を行っています。SDGsアドバンス認証も受けており、地域の持続可能な発展に寄与しています。
詳しい情報は
奈良屋本店の公式サイト をご覧ください。