ロッテのBCP改革
2025-10-29 09:39:06

ロッテのBCP改革プロジェクトが示す危機管理の新たな形

ロッテのBCP強化プロジェクト



日本の大手菓子メーカー、ロッテが勧める「対面参加型」のBCP(ビジネス継続計画)強化プロジェクトが話題を呼んでいます。2025年10月22日に、ニュートン・コンサルティングによって支援されたこのプロジェクトの成果が、導入事例として公開されました。特に、地震対応に偏っていたこれまでの危機管理体制から、オールハザード型のBCPへと転換を図る取り組みが特徴です。

プロジェクトの背景



ロッテは創業以来70年以上、製菓業界のリーダーとして数多くのヒット商品を世に送り出してきました。その企業活動の中で、事故防止や初動対応といった危機管理の重要性を認識し、東日本大震災以降は特に地震に対するBCPの策定を強化してきました。しかし、製品の多様化や事業展開の広がりに伴い、単なる地震対応から全てのリスクに備えたオールハザード型に移行する必要が生じました。

導入事例の詳細



1年目の重点施策は、企業トップへのインタビューと経営層を対象としたワークショップの実施でした。これを通じてBCPの基本方針をしっかりと策定し、復旧目標についての合意を得ることができました。その後、事業の継続に欠かせない5つの工場と各部署におけるBCP文書の整備が進められました。

2年目から4年目にかけては、これらの文書を基に、全国各地の工場や本社で実際の訓練を遂行します。この中には、役員参加の「本社緊急対策本部訓練」も含まれ、全社での有事の対応についての議論が深められました。

対面による訓練が生む実効性



ロッテがこのプロジェクトにおいて特に重視したのは、全ての演習や訓練を地方の工場でも必ず現地で行うことです。これにより、オンライン形式では得られないリアルな議論が促進され、より実効性の高い体制が築かれるよう工夫されています。また、この対面での訓練があったからこそ、参加者の当事者意識が高まり、BCPへの意識を共有する風土が育まれました。

今後の展望として、ロッテは国内の関連会社だけでなく、海外法人でもこのプロジェクトを広げていく計画です。このことにより、より多くの場面でのリスクに対応できる体制が強化されるでしょう。

ニュートン流BCPの概要



ニュートン・コンサルティングの提供する「BCM/BCP改善・再構築支援サービス」は、現状分析から有事への行動計画の策定に至るまでをフルサポートします。このサービスでは、経営陣の意向を反映させながら当事者による活動を促進し、実効性の高いBCPの構築を目指します。失敗を避けるためには経営陣の承認と、当事者全員が理解と責任をもって関わることが重要です。

まとめ



ロッテのBCP強化プロジェクトは、企業が危機管理能力を高めるための新たな成功事例として注目されています。オールハザード型の取り組みは、製品の多様化に対応するための重要なステップとなり、その成果が今後期待されます。このように、実効性のある危機管理体制の構築は、企業にとって欠かせない要素となっていくでしょう。


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