アメリカ大豆バイヤーズ・アウトルック会議2025開催
2025年11月11日、東京のThe Okura Tokyoにてアメリカ大豆バイヤーズ・アウトルック会議が開催されました。この会議は、アメリカ大豆輸出協会(USSEC)が主催し、今年収穫された2025/26年度のアメリカ大豆の作柄や品質を需要家に向けて報告する重要なイベントです。
会場には大豆生産者や輸出業者、専門家などが集まり、約200名の参加者が集まりました。アメリカからのゲストには、ミシシッピー州やオハイオ州の生産者が登壇し、「輪作やカバークロップを活用して健康な土壌を維持している」との取り組みを語りました。これにより、彼らは自ら引き継いだ良好な土地を次世代に渡すことを目指しています。
食用油の需要と大豆の重要性
USSECの新任エグゼクティブディレクター、カルロス・サリナス氏は、食用油や家畜飼料、バイオディーゼルなど、工業用原料としての油糧種子の生産量はこの20年で大きく増加していると述べました。特に、大豆の割合は57.0%から63.3%へと増加しています。
また、StoneXのアナリスト、ベヴァン・エベレット氏は、大豆の需要と供給を調整する要因として、気象や関税、畜産業の需要などを挙げ、大豆市場の複雑さを示しました。
品質維持に注力した生産
ミネソタ大学のセス・ネイブ教授は、2025年産アメリカ大豆は「順調なスタート」としつつも、シーズン後半に干ばつの影響を受けた地域もあると指摘しました。しかしながら、たんぱく質や油分の含有量が高いことは前年と変わらず、品質の維持に成功しています。
環境責任の観点からも飼料用大豆の質は重要であり、アメリカ産大豆は栄養素の含有量がブラジル産よりも優れています。この点については、マドリード工科大学のゴンザロ・マテオス教授が詳しく解説し、動物栄養学の視点からの重要性が強調されました。
日本に向けた大豆の供給
USSECの食品・油脂ディレクター、ウィル・マクネア氏は、Non-GMO(非遺伝子組み換え)大豆がほとんど日本市場向けであると発表。特に豆腐や豆乳、納豆などの需要に応えています。
最後に、日本植物油協会の片桐薫氏がサステナブルなアメリカ産大豆の重要性を強調。「植物油業界では安定的に原材料を調達する必要があり、SSAP認証大豆を広く活用したい」と述べました。USSECの活動は今後も持続可能性に沿った情報発信を続けるとのことです。
まとめ
アメリカ大豆バイヤーズ・アウトルック会議は、今後のサステナビリティを考える重要な場となりました。日本とアメリカの連携を通じて、持続可能な農業の未来を一緒に築いていくことが期待されています。
参加者にとっても、有意義な情報を得ることができ、今後のマーケット動向に影響を与える貴重な機会となりました。アメリカ大豆がこれからも世界中で求められる存在であり続けることは間違いないでしょう。