枕崎市が誇る「かつお節と焼酎の未来」を発信するイベントの詳細
2025年10月30日から11月2日まで、東京都港区のワールド北青山ビルで「枕崎市プレミアムマーケット」が開催されました。このイベントでは、枕崎市の特産であるかつお節と焼酎の魅力を首都圏に広めるためのトークイベント「かつお節と焼酎の未来」が行われました。
イベントの背景
2013年にユネスコ無形文化遺産として『和食』が認定されたことを受け、さらに2024年には『伝統的酒造り』が登録される見込みです。このような中、枕崎市は日本一の鰹節生産地としてその特色をアピールし、焼酎文化を活かして地域を活性化しようという意欲を持っています。
イベントには、Dashi Corporation株式会社の代表取締役である水野勉氏が登壇し、各業界の専門家たちとともに地域の未来について議論しました。
トークイベントの内容
水野氏の進行のもと、枕崎市長の前田祝成氏や水産加工業協同組合長の的場信也氏、薩摩酒造株式会社社長の吉元義久氏が参加。トークでは、無形文化遺産としてのかつお節や焼酎の価値、地域の活性化に向けた取り組みの必要性が語られました。
前田市長は、「鰹節と焼酎という無形の文化遺産を保有することが、枕崎市の魅力を発信する大きな意義である」と強調。続けて、的場組合長は産業の現状や課題に言及し、日本の鰹節の生産量の約半分を担う現在の体制について説明しました。
吉元社長は焼酎事業の多様性や新商品の開発に向けた取り組みを発表し、地域資源の有効活用が如何に重要かを訴えました。
鰹節のブランド戦略と新商品
水野氏は鰹節を「ワインに例えて価値化する」ことを提案し、高品質の製品がどのように生まれるかを説明しました。特に注目されたのが新商品の『だしどり』です。これはドリップバッグ式の飲むだしで、2025年11月4日に発売予定。パッケージデザインに対する消費者の関心も高まり、イベント参加者の間で大きな話題となりました。
新しい食文化の提案
セッションの後半では、かつお節寿司の試食や、枕崎お魚センターで提供されるかつお節かけ放題サービス、出汁飲み放題サービスなど、各種のユニークな食文化体験が紹介され、来場者はその魅力に引き込まれました。また、新しく提案された「ダシナー」という出汁を取り入れた生活スタイルも、多くの人々に好評を博しました。
地域文化の未来への期待
観覧席は満席となり、立ち見の来場者も多い中、盛況にイベントは終わりました。前田市長は、「伝統を守りながらも革新を続けることが地域文化の持続可能性につながる」と述べ、枕崎市の未来に向けた希望を強調しました。
枕崎市は特定第3種漁港を有し、鉄道ファンにも親しまれるJR最南端の駅を持つなど、多彩な地域資源を誇ります。今回のイベントは、これらの地域資源を生かす重要な一歩となるでしょう。
今後の展望
今後、枕崎市は都市部での情報発信を強化し、地域資源を全国および国際的に広める方針です。水野氏は『生産者をクローズアップし、ブランド化によって高付加価値を進める』という意気込みを示しました。
このトークイベントの模様は、枕崎市の公式YouTubeチャンネルで視聴可能で、イベントの詳細がアーカイブとして公開されています。これからも枕崎市のかつお節と焼酎の魅力を多くの人に伝えていくことでしょう。