九州とウクライナを結ぶ美味しい架け橋、クリスマスアドベント
福岡で毎年冬に開催される「クリスマスアドベント」は、九州とウクライナの食文化が出会う特別なイベントです。このイベントには、九州の「地産地消」を重視する企業、岩田産業の社長、岩田章正氏、クリスマスアドベントの総合プロデューサーである佐伯岳大氏、さらにはウクライナからの留学生ソフィア・ユルチェンコ(愛称ソーニャ)さんが参加し、対談が行われました。
クリスマスアドベントとは?
「クリスマスアドベント」は、2013年に初めて開催されたクリスマスマーケットから発展し、福岡の冬の風物詩として定着しました。毎年、多くの人々が訪れ、光と音、芸術が織りなす華やかな空間と多様な食の体験を楽しみます。2023年には、福岡だけでなく東京の上野恩賜公園でも「東京クリスマスアドベント」が開催され、ますますその規模と影響力を拡大しています。
ウクライナの文化と食
ウクライナ料理は、心の広さと思いやりを象徴するもので、特に「ボルシチ」や「ピリシキ」はその代表格と言えます。これらの料理には、豊かな文化と歴史が詰まっています。ソーニャさんは、ウクライナの伝統を大切にしながら、日本の人々にその味を通じて文化を伝えたいという強い想いを抱いています。
「ボルシチ」は、肉や野菜を使った栄養豊富なスープで、ウクライナの家庭では多くの場面で親しまれています。一方、フライ生地に具材を包んだ「ピリシキ」は、スナックとしても楽しめる人気の一品です。これらの料理は、ウクライナの伝統的な文化を十分に感じられるものです。
岩田産業の取り組み
岩田産業は、九州を元気にすることを目指し、さまざまな業務用食品を提供している企業です。岩田社長は、ウクライナの食文化を広めることができたのも、九州の地産地消を意識した取り組みがあってこそだと語ります。彼の「食を通じて九州を元気にする」という信念は、ウクライナ料理を支援するきっかけとなりました。
共同の取り組みの経緯
2022年、ウクライナのキーウ国立言語大学からの交換留学生を受け入れていた日本経済大学が、戦争の影響で急遽多くの避難学生を受け入れることになりました。岩田産業は、その支援の一環としてウクライナの学生たちをインターンとして受け入れ、彼らがウクライナの料理を日本の食卓に紹介することができるよう努めました。
ソーニャさん自身も、日本に来た際には「何もせずに生きることはできない」と強い想いを持っており、ウクライナ料理を通じて日本の人々に温かい心を伝えたいと考えています。彼女は「料理は人々をつなげる力がある」と語り、その思いが多くの人々に共感を呼んでいます。
多文化共生の願い
クリスマスアドベントで販売される「ボルシチ」と「ピリシキ」は、九州の食文化とウクライナ文化の架け橋となる一品です。参加者たちは、料理を楽しむだけでなく、ウクライナへの支援にも貢献することができます。佐伯社長も「食べることで支援につながる活動が、平和を願う証となれば嬉しい」と述べています。
最後に
私たちは、食を通じて国境や文化を超えた交流を楽しむことができる時代に生きています。今年のクリスマスアドベントには、ぜひ多くの方々が足を運び、ウクライナ料理の魅力を体験するとともに、ウクライナの文化を理解する素晴らしい機会となればと思います。ぜひ、皆さんも「ボルシチ」と「ピリシキ」を味わいながら、平和な世界を願い、その思いを広げていきましょう。