新作ミュージカル『ディズニーくまのプーさん』の魅力とクリエイターの思いに迫る

新作ミュージカル『ディズニーくまのプーさん』が再び舞台に登場！

新作ミュージカル『ディズニーくまのプーさん』が2025年5月より全国でジャパンツアーを開催。名古屋を皮切りに、大阪、福岡、東京、埼玉、横浜の全6都市を巡るという、待望の公演です。この作品はA.A.ミルンの原作やクラシカルなディズニーアニメからインスピレーションを貰っており、役者たちが操る等身大のパペットや精緻なセット、そして親しみやすい音楽が組み合わさり、観客を100エーカーの森へといざないます。

昨年、大きな反響を呼んだこのミュージカル。日本版演出補を担当する岸本功喜と翻訳を手掛ける小島良太にインタビューし、作品の魅力や再演に至る思いを聞きました。

再演の意義

岸本さんは、昨年のツアーで高い評価を得られたことを受けて、再度この作品を多くの人に届けることができることを嬉しく思っていると述べました。「くまのプーさん」は幅広い世代に愛されている作品なので、特に家族連れの観客にもたくさん足を運んで欲しいと語ります。お子様を連れての観劇はハードルが高いと感じる親御さんも多いでしょうが、各地で公演を行うことで、そのハードルを下げられると信じています。

小島さんも、観客から高評価を得たことを振り返り、このミュージカルの独自性が強く影響していると語ります。通常のミュージカルや人形劇とは異なり、パペットを用いた新しいエンターテインメント体験を提供できることが、観客への大きな魅力になっているとのこと。

生の魅力を届ける

この作品がミュージカルとしても良いという理由は、やはり生で感じられる体験に重きを置いているからです。岸本さんは、幼少期の体験が大人になっても忘れられないものであることを強調し、「くまのプーさん」という作品を通じて、その素晴らしさを生で伝えられることが重要だと語ります。

また、小島さんはパペットのかわいらしさを大きな魅力として挙げ、精巧なパペットが舞台上で動き回る姿を近くで体感できるのはミュージカルならではの楽しみだとアピールしています。

パペット演出へのこだわり

観劇中、キャストの姿が見えなくなり、まるでプーさんたちが実際に動いているかのように感じるとの声も多い中、岸本さんはその体験を実現するための工夫を大事にしています。彼はまず役者同士のリアルな芝居を構築し、その後、パペットに命を吹き込むことを重視しています。パペットに触れる前の準備が、その後の表現に大きな影響を与えるという信念を持っています。

融合する翻訳と演出力

小島さんは翻訳において、日本語版アニメーションと整合性を持たせることを重視し、くまのプーさんたちのセリフを状況に合わせて自然に表現できるよう心掛けています。岸本さんは、脚本や演出を手掛けるロックフェラー氏のディテールへのこだわりに感心しており、彼の豊かな想像力がプーさんの世界観を強化していると述べます。