納豆菌で暑さストレス軽減
2026-06-01 15:16:28

納豆菌が高齢ニワトリの暑さストレスを和らげる新たな可能性

納豆菌が高齢ニワトリの暑さストレスを和らげる新たな可能性



近年の研究によって、納豆菌が高齢の産卵鶏における暑熱ストレスを軽減し、産卵率に良い影響を与えることが明らかになりました。これは、タカノフーズ株式会社と椙山女学園大学との共同研究の成果であり、納豆を利用した飼料添加が新たな飼育方法として注目されています。

研究の背景



地球温暖化が進む現代、特に夏季の高温は養鶏産業に深刻な影響を与えています。ニワトリは高温に非常に敏感で、暑熱ストレスを受けると摂食量の低下や代謝の異常をきたし、産卵率が低下することが多いです。高齢産卵鶏は、加齢による生理機能の低下により、暑さに対して特に脆弱で、生産性が維持できないという課題がありました。

このような背景から、飼料添加物を通じて暑熱ストレスを軽減しつつ生産性を維持する新たな方法が求められています。最近、プロバイオティクス(有益微生物)を活用した腸内環境の改善が、家畜の健康を支える可能性が高まっています。

特に、納豆菌として知られるBacillus subtilis var. nattoは、抗菌作用や免疫調節作用があり、ヒトの食品としても広く使用されています。今まで、養鶏分野におけるそのストレス軽減作用についての研究は限られていました。

研究成果



今回の研究では、納豆を添加した飼料が高温環境下におけるニワトリの生理および生産性に与える影響を評価しました。対象としたのは71週齢以上の高齢産卵鶏135羽で、約30℃の高温環境を再現し、納豆を含まない飼料群と、異なる濃度の納豆を含む飼料群を比較しました。

実験の結果、納豆を給与された鶏群では、血中の脂質過酸化の指標であるマロンジアルデヒド(MDA)の濃度が抑制され、酸化ストレスの軽減が確認されました。さらに、産卵率や飼料要求率の改善も見られ、暑熱環境下でも生産性を維持する可能性が示されました。

また、糞便中から納豆菌が確認され、腸内環境に寄与していることが示唆されています。これに加え、軟便や下痢の発生が抑制され、腸管の構造的な健康にも好影響を与えることが期待されています。

今後の展望



本研究では特定の納豆菌株を使用していますが、今後は他の納豆菌との比較やその作用メカニズムを詳細に検討する予定です。また、養鶏分野におけるプロバイオティクスの新たな可能性と、家畜の健康維持や生産性向上のためのさらなる研究が期待されています。これは、持続可能で効率的な養鶏業の未来を作るための一助となるでしょう。

この研究成果は、言わば環境変化に適応し、より健全な養鶏を目指すためのひとつの鍵となるかもしれません。納豆菌が未来の養鶏業に新たな風を吹き込むことに期待が高まります。


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