デヴィッド・ボウイの魅力が息づくミュージカル『LAZARUS』稽古場探訪!
世界的なロックスターであるデヴィッド・ボウイの遺作が、日本初演を迎えることとなりました。ミュージカル『LAZARUS』は2025年の5月31日から横浜・KAAT神奈川芸術劇場にて上演され、その後大阪・フェスティバルホールでの公演も控えています。風格ある彼の音楽と物語の融合がどう表現されるのか、期待が高まる中、稽古場の様子に迫ります。
ボウイの遺志を継ぐ作品
本作は、2016年に肝臓がんとの闘いの末に亡くなったボウイが手掛けた遺作です。ただの自伝的作品ではなく、彼の1976年の映画作品『地球に落ちて来た男』に基づき、主人公ニュートンのその後を新たに描いたもの。多くのボウイファンに愛されている『All the Young Dudes』や『Heroes』などの名曲に加え、本作のために書かれた『No Plan』なども含まれ、音楽の面からも視覚的な魅力を持っています。
舞台稽古の熱気
稽古場に入ると、主演の松岡充が歌い上げる『Absolute Beginners』の声が響き渡っていました。稽古の中で、キャストたちはボウイの意志を受け継ぎ、英語で歌うための発音指導を受けつつ、作品の細部にこだわって取り組んでいます。ボウイへのオマージュが全体に漂っています。
キャストと演出のこだわり
松岡が演じるニュートンは異星人であり、彼に好意を寄せるエリー(鈴木瑛美子)との関係は物語の中心となります。エリーによって心が揺れるニュートンの姿が描かれ、多くのキャストによる歌唱が見せ場の一つとされています。また、松岡の全身を使った表現は、熱い思いを伝えるために言葉以上の力を持っています。
稽古の中では演出の白井晃氏がキャストに助言を送り、1つ1つのシーンで何を伝えなければならないかの重要性を説きました。その中で、キャラクターが持つ意味を深く考える姿勢が求められるのが印象的です。
深みのあるドラマ
作品が進むに従い、悪魔のような男・バレンタイン(上原理生)との絡みでは、エリーが拒絶された瞬間に彼女の運命がどのように変わるか、物語が行く度に緊張感が高まります。松岡の息遣い、表情、声色により、ボウイの楽曲は新たな命を吹き込まれています。
ボウイの思いを体現
ボウイの遺作である本作は、彼の苦悩とも向き合った作品であり、松岡は「ボウイの魂を表現したい」と情熱を注いでいます。希望を求める少女とのもがきが、光と闇を共存させるシーンで描かれており、体験する者がそれぞれの思いを抱くことができるでしょう。
ラストにニュートンが天に右手を伸ばした瞬間、ボウイがそこにいるかのような感覚が広がり、感動を呼び起こします。稽古の静寂の中、松岡が息を吐く音が響く中で、自らの存在と向き合う姿は印象的であり、観客もそれを感じさせる力を持っています。
最後に
ボウイの音楽に触れた瞬間、彼の着想やメッセージを一人一人が感じ取り、心に刻むことができる作品となることは間違いありません。ボウイの遺したメッセージ。彼の音楽は時代を超えて輝き続けます。
『LAZARUS』に込められたボウイの思いを、ぜひ劇場で体感してください。お見逃しなく!
公演情報
- - 公演名称:ミュージカル『LAZARUS`
- - 音楽・脚本:デヴィッド・ボウイ
- - 脚本:エンダ・ウォルシュ
- - 演出:白井 晃
- - 出演:松岡 充、豊原江理佳、鈴木瑛美子 ほか
- - 横浜公演:2025年5月31日~6月14日、KAAT神奈川芸術劇場
- - 大阪公演:2025年6月28日~29日、フェスティバルホール
詳細は公式サイトをご覧ください。