新たな命を吹き込むアップサイクルフード「upvege」日本発の挑戦

未利用野菜に新たな息吹を注ぐ「upvege」の挑戦

未利用野菜とは、形が不揃いだったり、大きさが標準を満たさないために市場に出せず、廃棄される運命にある野菜を指します。そんな野菜たちに新たな価値を与え、食の未来を変えることを目指すのが、株式会社グリーンエースによる新しいアップサイクルフードブランド「upvege」です。

アップサイクルで「おいしい」を実現

「upvege」は、未利用野菜を粉末化する技術を駆使して、色・香り・栄養をそのままに保存した高付加価値食品を生み出すことに成功しました。これにより、今まで捨てられていた野菜が、香り豊かで栄養価の高い粉末として再生されるのです。一般家庭や外食産業に至るまで、様々な食品に活用されるポテンシャルがあります。

食品ロス削減の現状

環境省によると、日本国内での食品ロスは年間472万トンにも達します。この中には、家庭や事業で発生する廃棄物が含まれています。近年、健康志向や環境への配慮が重視される中、サステナブルフード市場は年率9％の成長を続けています。upvegeは、この流れに乗り、未利用野菜という廃棄物を取り扱うことで、新しい食文化の創造を目指しています。

ブランドミッションと技術

upvegeのミッションは、「未利用野菜に命を吹き込み、未来の食文化とサプライチェーンを創造する」というものです。このビジョンを実現するために4つの柱があります。
1. 高付加価値化: 未利用素材を高品質な食品に再生
2. 技術革新: 超高速乾燥粉末化技術
3. 共創モデル: 企業や行政と連携した商品開発
4. 新食文化創出: アップサイクルを特別なものから日常的なものへ

upvegeの粉末化技術は、東京農工大学などの協業から生まれ、最短5秒で生野菜を粉末化します。この過程において、熱による栄養素や色、香りの損失を最小限に抑えることが可能です。その結果、様々な料理や製品に取り入れやすい「野菜パウダー」として生まれ変わります。

地域との連携による持続可能な未来

今後、upvegeは小売業や外食産業、食品メーカー、自治体との共同開発を進めていきます。最終的には、2030年までにアップサイクル食品を一般食品市場の主要なカテゴリーとして確立することを目指しています。地域ごとの生産地と連携し、循環型のアップサイクルモデルを構築することで、未利用食品を最大限に活用していく予定です。