繊維リサイクルボード「PANECO® board M」が2026年から量産開始
愛知県一宮市に本社を構えるモリリン株式会社が、廃棄衣類を原料にした繊維リサイクルボード「PANECO® board M」の量産体制を2026年初旬より築くことを発表しました。この製品は、東京都に本社を持つ株式会社ワークスタジオが研究・開発し、ホクシン株式会社の技術協力のもとで生まれます。この【特許 第7254401号】に基づく新しい製品は、木材繊維の中でも特に使用されるMDF(中密度繊維板)の製造プロセスを活用しています。
PANECO® board Mの特長
「PANECO® board M」は、サイズの規格化が進み、最大寸法は巾1,240㎜、長さ4,060㎜、厚さ30㎜となっています。これにより、建材や什器素材としての利用が非常にしやすくなり、現場での加工や運搬など、実用性にも配慮されているのが特徴です。従来の「PANECO® board S」では月産で約5トンのアップサイクルが限界でしたが、Mの生産により、これまでのスケールの課題をクリアして、安定した生産が期待されています。
環境問題への対応
このリサイクルボードは、廃棄予定だった衣類や繊維くずを再資源化したもので、量産体制の確立により、今後は月間600トンにものぼる廃棄衣類のアップサイクルが可能になります。日本国内では年間約100万トン、世界全体では9200万トンの衣類が廃棄され、これらの多くが焼却や埋立処理に回ることで、二酸化炭素の排出や土壌汚染など深刻な環境問題を引き起こしています。PANECO® boardは、こうした衣料廃棄問題に対し、持続可能な「出口」を提供することを目指しています。
より広がる循環の可能性
今回の量産化により、かつては対応が難しかった規模や用途への展開が可能になります。例えば、経済産業省が策定した「繊維・アパレル産業における環境配慮情報開示ガイドライン」においても、2026年までにアパレル企業には回収衣料品の処分方法の開示が求められるため、PANECO® board Mはこうした基準にも対応できるリサイクル手段としての役割が期待されています。
今後の展望
「PANECO® board」は、これまでの挑戦を基盤に持続可能な循環型社会の実現に向けて進化を続けています。今後も、環境に優しい素材としての地位を確立し、社会における循環の輪を一層広げていくことでしょう。これにより、企業、団体、自治体など、衣類の廃棄に課題を持つさまざまな場面での資源循環が促進されていくことが期待されます。
【PANECO®の公式サイト】
【製品情報】
【お問い合わせ】
info.moririn-paneco@moririn.co.jp
モリリン株式会社のコーポレートサイトは
こちら。
今後も環境問題への意識が高まる中、PANECO® board Mの取り組みには大きな注目が集まっています。