RADWIMPS山口智史氏と慶應義塾大学の対談で語る音楽と科学の未来

特別対談「音楽と科学の未来」とは

2025年10月12日日曜日に、洗足学園音楽大学の前田ホールを舞台に、名だたるミュージシャンであるRADWIMPSの山口智史氏と、慶應義塾大学の藤井進也准教授の特別対談が開催されました。この対談は「ミュージシャンズ・ジストニアを科学し、未知なる音楽表現へ」をテーマに、音楽家が直面する神経疾患について語り合う貴重な機会でした。

ミュージシャンズ・ジストニアとは？

まず、ミュージシャンズ・ジストニアについて触れましょう。これは音楽家が楽器を演奏する際に、その演奏技術に深刻な影響を及ぼす神経疾患です。近年、この病は日本の音楽業界においても重要な課題となっており、それに対処すべく、山口氏と藤井准教授は10年以上にわたる研究を続けてきました。彼らの壮大なストーリーは、音楽表現の未来像にも影響を与えるものであり、参加者たちにはその流れが深く刻まれました。

当日のイベントの内容

当日は、多くの音楽愛好者や学生が集まり、会場はほぼ満席の状態に。山口氏と藤井准教授は、お互いの研究に関するプレゼンテーションを交えながら、特に注目を集めたのはYAMAHAとの共同開発による「声でドラムを奏でる」システム〈VXD〉の実演でした。この技術は、演奏者が声を発することでドラム音を生成するもので、身体的な制約を解放する新たな可能性を示しています。

さらに、山口氏の恩師である松山修講師との特別共演も行われ、彼の実演は多くの感動を呼び起こしました。これにより、山口氏は自身の音楽人生を振り返ると同時に、長年支えてきた人々への感謝の気持ちを表現しました。

今後の展望

対談の中で藤井氏は、音楽と科学、研究の枠を超え、自分の心に従って音楽を楽しむことの重要性を強調しました。これからの洗足学園音楽大学は、実践的かつ刺激的な学びを提供するために、業界の第一線で活躍する専門家を招いた講演やプログラムを続けていくとのことです。

山口氏自身も、2024年には声を用いた演奏で約9年ぶりのステージ復帰を果たし、来年2025年には初のソロツアーを開催する予定ということで、彼の活動から目が離せません。彼の道のりや挑戦は、未来の音楽家たちにとって大きな励ましとなるでしょう。