ファンケルが開発した「液晶ニオソーム」の進化が驚き！

ファンケルが開発した「液晶ニオソーム」技術

株式会社ファンケルが、新しいナノカプセル技術「液晶ニオソーム」を開発しました。これにより、スキンケア製品の保湿効果が高まり、肌のバリア機能も強化されると期待されています。

ヒト型セラミドとナノカプセルの融合

ファンケルは、ヒト型セラミドをベースにしたナノカプセルの研究を進めてきました。これまで、ヒト型セラミドは高い保湿効果を持つものの、結晶性が高く手強い成分で、肌に塗布してもその効果を発揮しづらいという課題がありました。

新たに開発された液晶ニオソーム

この研究の結果、新しく開発された「液晶ニオソーム」は、ヒト型セラミドを液晶化し、柔軟性を持ったナノカプセルに組み込む技術です。特定の比率でセラミド、フィトステロールズ、ステアリン酸ポリグリセリル-10を混合し、偏光顕微鏡で液晶状態を確認しました。これにより、約150nmの大きさの球状の「液晶ニオソーム」が形成されました。

保湿性の秘訣

実際の肌上での水分蒸発をシミュレーションし、「液晶ニオソーム」が巨大な線維状構造に変化することが確認されています。一方で従来の「セラミドニオソーム」はその形状を維持しており、水分保持において「液晶ニオソーム」が顕著に優れていることがわかりました。これにより、保湿性や肌のバリア機能が向上する可能性が示唆されています。

性質比較とその影響

さらに、液晶ニオソームと従来のセラミドニオソームの膜の性質を比較すると、液晶ニオソームのほうが高い膜流動性を持つことがわかりました。温度帯によってその特性が変わるため、肌の環境に合わせて柔軟に対応できることが期待されます。

水分透過抑制効果

最新の実験では、「液晶ニオソーム」が水分蒸発を顕著に抑制することが明らかになりました。これにより、肌に塗布した際の保湿性能が格段に向上し、より健康的で潤いのある肌を実現することが可能になります。

今後の展望

この「液晶ニオソーム」の技術は、今後のスキンケア製品に革新をもたらすと考えられています。2025年9月に開催された「第63回日本油化学会年会」でも発表され、その注目度はますます高まっています。

ファンケルの新しい技術により、これまで難しいとされてきたヒト型セラミドを効果的に肌に届けることができる新たなスキンケアの時代が到来するでしょう。私たちも注目していきたいと思います。