働く女性の更年期症状に関する最新の調査結果と今後の対策

日本における45～54歳の女性の就業率は80％を超え、ますます重要視されているのが働く女性の健康問題です。特に更年期に関する症状の問題は、多くの女性に影響を及ぼしており、これに対する対策が求められています。しかし、実際にどのような因子が働く女性の更年期症状に影響しているのか、具体的なエビデンスは不足していました。

調査の概要

この研究では、インターネットパネルを使い、働く女性の更年期症状に関連する要因を分析しています。対象は2021年9月に行われた調査で、民間のインターネット調査会社に登録している45～56歳の働く女性3645名が参加しました。症状の程度は簡略更年期指数（SMI）を使用して評価され、最終的に2731名のデータが分析に使用されました。

ここで興味深いことは、40%近い1093名が中等症から重症の更年期症状を訴えていたということです。それだけでなく、19.4%の530名が市販薬を含む医薬品を使用し、更年期の症状を軽減しようと奮闘していることが明らかになりました。これは、職場での健康管理において、あらゆるライフステージにおいてサポートが必要であることを示しています。

どのような因子が影響するのか

多重ロジスティック回帰分析の結果、SMIが26点以上の更年期症状を経験している女性のリスクを増加させる因子がいくつか特定されました。以下に主要な要因を挙げます。

1. 肥満度レベル: BMIが25以上の過体重または肥満の女性
2. 婦人科疾患の既往歴: 過去に婦人科の疾患を抱えていた女性
3. 更年期にあること: 閉経移行期もしくは閉経期の女性
4. 持ち上げる作業が多い労働環境: 1日1回以上、重い物を持ち上げる作業をしている
5. 深夜勤務の経験: 月に1回以上深夜勤務をするシフト

これらの因子からも分かるように、個人の身体的条件や職場環境が更年期症状に大きく影響しています。特に、肥満や婦人科の疾患は、身体的な健康状態に直結していることから、これに対する取り組みが必要です。

セルフケアと職場環境の改善

調査結果は、働く女性の健康を支えるためには、個人の生活習慣や身体条件に加え、職場環境も考慮する必要があることを示唆しています。セルフケアの重要性が叫ばれる中、特に生活習慣の見直しや体重管理、そして医療機関への相談が、症状の軽減に繋がる可能性が高いと言えるでしょう。また、企業側でも労働環境の改善に取り組むことで、職場で働く女性がもっと快適に、不安を軽減しながら働けるようになることが期待されます。