イタリアのシェフ・ベリッシモが語る本場カルボナーラの真実と料理哲学

イタリア料理の深層を探る

料理研究家であり、テレビ、雑誌、SNSなど多方面で活動するベリッシモ・フランチェスコ氏。彼は日本で20年以上の経験を持つイタリア人シェフで、本場の味を伝えることに情熱を注いでいます。最近、ローマの名店「Felice a Testaccio（フェリーチェ・ア・テスタッチョ）」を訪れ、現地でしか味わえない本物のカルボナーラについて語った内容が注目を集めています。

本場のカルボナーラとは

ベリッシモ氏は、カルボナーラが日本で非常に人気のある料理である一方で、多くの誤解があることを指摘しました。彼が示す本物のカルボナーラのレシピは、卵、ペコリーノ・ロマーノ、そしてグアンチャーレ（豚の頬肉）というシンプルで贅沢な素材のみを使用しています。この組み合わせが、素材、技術、歴史が融合した深い味わいを生み出すのです。

「日本ではクリームを使ったり、他の材料を追加したりしますが、本場のカルボナーラはそうではありません」と彼は強調します。彼にとって、料理は単なるレシピ以上のものであり、その土地の文化と人々の物語であると語ります。地元の素材を使い、現地を訪れてその文化を直接感じることが、料理を作る上でいかに重要かを再確認させられました。

料理を通じた文化理解

さらに、ベリッシモ氏は「イタリアにも寿司のレストランはたくさんありますが、日本に行き、実際に人々と交流して初めて本物の寿司を作れるのです」という観点から、文化を理解するには直に現地を体験することが必要だと説きます。「ただ食材を持ち帰って料理するのではなく、その土地の空気や歴史を感じることが大切」と彼は語気を強めました。
イタリアを代表する料理人である彼自身もローマ出身でありながら、責任感を持って地元の味や素材に立ち返り、実際にテスタッチョを訪れてその真価を自身の目と舌で確かめることに意味を見出しています。

ベリッシモ・フランチェスコ氏のYouTubeチャンネル

彼の旅とその経験は、YouTubeチャンネル「ベリッシモTV」にて映像としても公開されており、多くの反響を呼んでいます。このコンテンツを通じて、彼は食を通して人々がつながる力を伝えたいと考えています。
「本物を知ることの大切さ、そして料理を通じて人と人がつながる。そのすべてをカルボナーラに込めました」と語るベリッシモ氏。今後も彼の活動が、日本とイタリアを結ぶ架け橋として期待されます。