味の素がカンヌライオンズで発信する日本食の魅力
味の素株式会社が創造的な場であるカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルに参加し、2025年6月16日に初めて公式セッションを主催しました。このセッションでは、日本食のクリエイティビティに焦点を当て、その魅力を世界に届けることを目的としています。
セッションの概要
公式セッションのタイトルは「Inspire, Reinvent, Globalise: Secrets of Japanese Food Creativity(インスパイア、リインベント、グローバライズ:日本食のクリエイティビティの秘密)」で、フランス・カンヌのパレ・デ・フェスティバル内のフォーラムで行われました。登壇者にはミシュランを獲得した日本人シェフの松嶋啓介氏、PR業界の第一人者本田哲也氏、味の素㈱の森妹子(まいこ)氏が名を連ね、各視点から日本食の魅力を語りました。
日本食の国際的な評価
日本食は、2023年12月に発表された「世界の料理ベスト100」で、イタリアに次ぐ2位を獲得しました。日本の食文化は、多様な国の料理からインスピレーションを受け、その特徴を巧みに再構築してきた歴史があります。松嶋氏は、「日本には、外から来たものを自分たちの文化として育てる力がある」と説明し、日本食の根底にあるうま味の重要性についても触れました。
「クリエイティブ循環モデル」とは
セッション内では、日本の食文化がどのように進化しているのかを示す「創造的循環モデル」が紹介されました。このモデルは、Inspire(着想)→ Reinvent(再構築)→ Globalise(グローバル化)という流れを持ち、日本食の国際的な地位を築く過程を説明しています。このサイクルを通じて、日本食は他文化からの影響を受けつつも、独自の進化を遂げてきたのです。
松嶋啓介氏の視点
松嶋氏はフランスでの経験をもとに、日本料理の捉え方を語りました。「伝統的なヨーロッパの食材を使いながら、それに日本的なアレンジを加えることで、地元の食文化に溶け込んでいる」と述べ、料理を通じて日本らしさを表現することの重要性を強調しました。さらには、うま味の概念と、それが健康に寄与していることについても言及しました。
森妹子氏が語るグローバル戦略
味の素の森妹子氏は、各国における食文化の創造について詳しく説明しました。日本発の食品メーカーとして、地域色を取り入れた商品の開発に取り組む姿勢を示し、自社の「おいしさ設計技術®」に基づく製品開発の実践についても言及しました。現地の食文化への理解を深めるため、味や製法の分析を行い、各国に合った商品を提供する努力を続けています。
日本食からもたらされる希望
松嶋氏は、日本食のうま味を世界中の人々に体験してもらうことが、平和な社会を築く一助になると述べました。食を通じて人々の心を結びつけることが、国際交流を進める鍵となるとの期待を寄せています。
今後の展望
今回のカンヌライオンズでのセッションは、味の素グループの新たな挑戦の一環であり、グローバルでの価値創造に向けた重要な一歩となります。多様な文化や食習慣に寄り添いながら、世界中の食卓に新しい価値を提供し続ける努力が今後も期待されています。味の素の取り組みは、国際的な場で日本の食文化をしっかりと発信し、多くの人々にその魅力を届けることを目指しています。