埼玉県の美味しい米「彩のきずな」が特Ａ評価を獲得した理由とは

彩のきずなが特Ａ評価を獲得

埼玉県が誇る育成品種「彩のきずな」が、一般財団法人日本穀物検定協会が発表した「令和6年産米の食味ランキング」で、最高評価の「特Ａ」を獲得しました。これは5年連続であり、6度目の快挙です。これほどの評価を受ける背景には、埼玉県が行ってきた米作りへの努力と、独自の特性が大きく関わっています。

彩のきずなとは

「彩のきずな」は、平成15年に埼玉県農業技術研究センターで交配された米で、9年間の研究と開発を経て、平成26年に品種登録されました。この品種は、特に病害虫に強い特性を持ち、また高温の条件でも白未熟粒が少なく、暑さに強いという独自の魅力があります。農業の厳しい環境に対応するために育成された「彩のきずな」は、まさに地域の特性を活かしたお米です。

埼玉県では、「特Ａ」プロジェクト推進事業を通じて、様々な取り組みが行われてきました。特に、令和2年度までのプロジェクトでは、県産米の味向上を目指して多くの技術が投じられ、令和3年度からは「埼玉県うまい米づくり推進協議会」が立ち上げられ、さらなる美味しい米作りに挑戦しています。

食味ランキングとは

日本穀物検定協会は、昭和46年から毎年「食味ランキング」を実施しており、全国の主要産地のお米を白飯として試食し、評価しています。このランキングでは、お米の外観、香り、味、粘り、硬さ、そして総合評価の6項目について、基準米である複数産地のコシヒカリと比較して評価されます。基準米よりも特に良好であるものが「特Ａ」とされ、今回「彩のきずな」は見事その評価を得ました。

厳しい環境を乗り越えた成果

令和6年は、夏の猛暑やイネカメムシの被害が報告され、全体的な米作りにとっては厳しい年とされていました。しかし、そのような中でも「彩のきずな」は見事に特Ａ評価を獲得し、圧倒的な存在感を示しました。

この評価を受けて、埼玉県の農業界には多くの励みとなっています。特に若手の農家たちは、この成功を肌で感じ、より良い米作りへの取り組みを進めることでしょう。また、消費者にとっても、これからの季節、特Ａ米を食卓で楽しむ機会が増えるのではないでしょうか。