子どもの調理体験が生み出す幸せの効果
最近の研究から、子どもが主体的に行う調理体験が、唾液中のオキシトシンと呼ばれるホルモンの量を増加させることが分かりました。キユーピー株式会社は、これを心理学的および生理学的な観点から検証し、その成果を第23回日本機能性食品医用学会総会で発表しました。研究は、子どもたちの笑顔が詰まった素晴らしい未来を創造するための新たな知見を提供しています。
オキシトシンとは何か?
オキシトシンは、一般に「幸せホルモン」として知られ、人と人との絆を深める役割を果たします。このホルモンは、愛情を感じる時や他者と触れ合う時に分泌されることが多く、幸福感やリラックス感をもたらす効果があります。最近の研究では、オキシトシンが親子の愛着形成や他者への信頼感を高めることが確認されています。
研究の背景
キユーピーは、長年にわたり親子での調理体験がもたらす心理的な側面を研究してきました。特に、子どもが主体的に関わることで親子の関係がより良好になることが報告されています。しかし、これまでの研究は心理的側面に重点が置かれていたため、今回の研究は生理学的なデータに注目し、さらに新たな視点を加えました。
実施した調査
今回の研究では、小学生32名を対象に、野菜や卵を使ったホットドッグの調理体験を行い、調理前後の唾液中のオキシトシン量を測定しました。調理は、子どもたちが主体となり、生地をこねたり、ソーセージや野菜を盛り付けたりする工程を体験しました。このような活動を通じて、子どもたちは達成感を得るとともに、ポジティブな生理的変化が生まれることを期待していました。
調理前後のオキシトシン量を比較したところ、調理後に有意な上昇が認められました。特に、普段の調理頻度に関係なく、調理体験がオキシトシンの増加に寄与する傾向が見られました。さらに、保護者の就労状況別に分析した結果、調理前にはオキシトシン量に差が見られましたが、調理後にはその差が解消されることが分かりました。
キユーピーの取り組み
キユーピーは2030ビジョンの下、「子どもの笑顔のサポーター」を掲げ、2002年から小学校への出前授業「マヨネーズ教室」や、野菜教室などを通じて、「体験機会」の創出に取り組んでいます。これからも、研究や食育活動を通じて、子どもたちに食の楽しさや大切さを伝え、その笑顔を育んでいくことを目指しています。
まとめ
子どもが主体的に行う調理体験は、オキシトシンを増加させることで親子間の繋がりを深め、より良い関係を築く手助けをすることが分かりました。この研究が示すように、調理を通じて子どもたちの心と体の健康を育むための環境作りが今後ますます重要になってくることでしょう。さあ、親子で一緒に料理を楽しむ時を作りませんか?