浮世絵復刻版で再現された広重『名所江戸百景』の魅力をご紹介

江戸の風景を再現した名作『名所江戸百景』

江戸時代の名作浮世絵が、現代に蘇る。株式会社版三が手掛けた復刻版浮世絵シリーズ第三弾として、歌川広重の『名所江戸百景』が登場します。この魅力的な作品群は、「令和の蔦重」として紹介された坂井英治が率いる版三が、江戸の伝統技法を駆使して忠実に再現されました。

復刻シリーズの背景

昨今、NHKの大河ドラマや情報番組がきっかけとなり、浮世絵への関心が再燃しています。その流れの中で、歌川広重の『名所江戸百景』は特別な存在として浮上しています。これは、江戸後期を代表する浮世絵師による120図から成る風景画シリーズで、春夏秋冬の江戸の魅力を余すことなく描写しています。

復刻版の注目ポイント

今回の復刻では、広重の名作が6種新たに発売されます。これに加えて、写楽の個性的な「役者絵」2種と北斎『富嶽三十六景』の新作なども含まれ、合計で多彩な品揃えとなっています。

広重の美しさを楽しむ

広重『名所江戸百景』は、ただの風景画にとどまらず、その中に生きる人々の暮らしを描き出すことで、時代の息遣いを感じさせます。彼が採用した大胆な構図や多色刷り技術は、まさに浮世絵の代表的な魅力と言えます。これはゴッホやモネといった西洋の画家たちにも影響を与えた要素であり、復刻版ではその美しさをいつでも手元で楽しめる形で提供されています。

伝統技法での再現

版三が手掛けるこの復刻版は、江戸時代の伝統技法に基づいた純手彫り、純手摺りによるものです。技術者たちは文化財保護法に基づいた認定を受けており、その技法は国指定の重要無形文化財にも選ばれています。このように、高い技術が投入されることで、当時の風合いや色彩が忠実に表現されています。

エコに配慮した越前生漉奉書が用いられることで、浮世絵の魅力が一層高まります。特に、越前和紙はその品質の高さから日本の紙の原点とも言える存在であり、復刻版にはそれをふんだんに使用しています。