国産レモンが名刺に変身!
環境への配慮がますます重要視されるなか、サッポロホールディングスのグループ企業、ポッカサッポロフード&ビバレッジが新たな試みをスタートします。これは広島県大崎上島町で生産された国産レモンの枝葉を活用したアップサイクル名刺の開発です。2023年の6月、世界環境デーや環境月間に合わせて、この取り組みの失敗などの試行を開始するとのこと。
環境保全への姿勢
サッポログループは「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」「自然共生社会の実現」の3つを掲げており、自社の拠点やサプライチェーンでのCO2排出量削減、プラスチック製品のリデュース・リサイクル、さらには水資源の保全活動に至るまで、幅広く環境に優しい取り組みを進めています。これらの活動は、持続可能な社会の実現を目指しており、今回の名刺の開発もその一貫です。
レモン枝葉の活用理由
国産レモンの生産を促進するため、ポッカサッポロは2013年に広島県とパートナーシップを結び、2016年には大崎上島町との包括協定も締結しています。その中で、果実の生産過程で発生する余剰枝葉の有効活用が求められていました。特に、剪定されたレモンの枝や葉は手間がかかり、処理されずに放置されることが多いのが実情です。
このような背景から、未利用なレモン枝葉を「国産レモンペーパー」として生まれ変わらせ、それを名刺に使用することで環境負荷の低減と資源の有効活用を図ろうとしているのです。
従来の紙作りとの違い
名刺の肝となる紙づくりには、特に注目されています。今回の名刺は、老舗の紙屋である株式会社ペーパル社との共同開発によって実現しました。開発チームは、レモン枝葉が持つ水分量や繊維構造を詳細に分析し、粉砕方法を試みて最適な粒度に加工しました。これには、特に硬いトゲを持つ枝葉の扱いが難しく、多くの試行錯誤が伴ったといいます。
最終的に、レモンならではの素材感を残しつつ、印刷技術に応える高品質の紙が完成しました。これにより、名刺の美しさと温かみが融合した製品が誕生しています。
今後の展望
ポッカサッポロは、今後も国産レモンを使った資源を大切にする取り組みを続け、地域社会への貢献と持続可能な環境保全活動を推進していくとのことです。このような取り組みが広がることで、より多くの企業や個人がサステナブルな社会の実現に向けて一歩踏み出すことが期待されています。国産レモンを使用した名刺は、ただの名刺ではなく、「環境を考える第一歩」としての意味を持つのです。今後もこのような取り組みが増えていくことを願うばかりです。