リハビリ型デイサービスの効果を検証
近年、高齢化社会の進展に伴い、日本ではサルコペニアやフレイルと呼ばれる健康問題が深刻化しています。これらは筋肉量の減少や身体機能の低下を引き起こし、最終的には介護が必要になる可能性があります。そこで、株式会社ファンケルは株式会社INSSEACと協力し、リハビリ型デイサービス「ARFIT」における運動療法と栄養療法の効果検証を行いました。
研究の背景と目的
日本の高齢者の健康を維持するためには、運動療法と栄養療法の併用が重要です。本研究の目的は、要支援または要介護認定を受けている高齢者を対象に、両療法が身体機能や体組成に与える影響を調査することでした。特に、筋肉量に関連する運動療法や高タンパク質食品の効果が焦点とされました。
調査方法
調査対象者は、60歳以上95歳未満の要支援あるいは要介護認定者74名。運動療法として週1~2回の自重筋力トレーニング、歩行訓練、脳トレ運動、口腔体操を実施しました。また、栄養療法としては、高タンパク質を含む食品やサプリメントを提供しました。調査は12カ月間行われ、体組成や握力の測定が行われました。
調査結果
全参加者の平均年齢は82歳。運動療法を実施した74名中、41名が栄養療法も併用しました。結果として、運動療法の実施回数が多いほど脚の筋肉量や握力が向上することが立証されました。また、栄養療法を取り入れた者は、運動療法を実施したにも関わらず、腕の筋肉量と握力の評価が高いことが示されました。
今後の展望
この研究の成果により、要支援・要介護認定を受けている高齢者においても適切な運動療法と栄養療法を組み合わせることで、サルコペニアやフレイルを予防できる可能性が示されました。ファンケルは、今後も高齢者が自立した生活を維持するための製品やサービスの開発に注力していく計画です。
結論
高齢化社会において健康な生活を送るためには、運動と栄養の両面からのアプローチが欠かせません。ファンケルの取り組みは、今後の介護予防の新たなモデルとなることが期待されます。高齢者が自立した生活を続けられるよう、さらなる研究と実践が待たれます。