勝利の軌跡:『atsu熱』と福祉の新しい形
大阪市西淀川区に位置する「カラードリーム」という就労継続支援B型事業所が、横浜中華街の職人、山田工業所と共同開発した中華鍋『atsu熱』が注目を集めています。このプロジェクトは、クラウドファンディングサービスMakuakeで公開され、わずか1時間で目標金額を達成し、数日で累計300万円を超える資金を集める快挙を遂げました。更に、Makuakeの本日のグルメランキング第1位、総合第2位にも選ばれるなど、多くの支持を得ています。
工賃アップの壁を打破する
全国の就労継続支援B型事業所は、工賃アップに向けた大きな壁に直面しています。全国平均では月額2万3000円台という現実があり、多くの事業所は市場で売れる商品開発や、高単価の作業に依存せざるを得ない状況にあります。カラードリームもその一つで、「もっと工賃を上げたいが、既存の枠組みでは難しい」という問題に直面していました。
新たな挑戦のスタート
そこでカラードリームは、福祉と職人の力を融合させる新たなモデルを作り上げることにしました。山田工業所は、横浜中華街で約8割のシェアを持つ著名な工房です。この共同開発では、職人が一枚の鉄を丁寧に打ち出す製造工程に、福祉事業所の利用者が調査、検品、梱包準備などに参加しました。利用者の作業はそのまま商品の品質の一部となり、工賃アップに直結する新たなモデルが誕生したのです。
プロジェクトが注目された理由
このプロジェクトには、次の3つのポイントが多くの人々の関心を引きました。
1. 社会性:福祉と職人の共同開発による新しい価値の創出。
2. 話題性:公開初日で目標を達成し、初日だけで100万円以上の応援購入が寄せられました。
3. プロスペック性:家庭でも使いやすい27cmの軽量で打ち出し製法の鍋。
特に、福祉の挑戦を応援したいという声が多く寄せられており、社会的な意義を感じる方々の賛同を得ているのです。
代表者の思い
「工賃を上げることは長年の課題でした。今回のプロジェクトでは、利用者の役割がそのまま商品の価値につながる仕組みを初めて実現できました。この成功はゴールではなくスタートです。今後は、利用者が誇りを持って働ける環境を広げ、より多くの工賃アップモデルを展開したいと思っています」と、株式会社firstclassの代表取締役、小川広志氏は語ります。
プロジェクトページ
この素晴らしいプロジェクトの詳細については、Makuakeのプロジェクトページ(
www.makuake.com/project/atsu_chukanabe/)をぜひご覧ください。
会社概要
株式会社firstclassは、大阪府大阪市西淀川区出来島に拠点を置き、就労継続支援B型事業を運営しています。また、ハンドメイド事業や訪問介護、相談支援も行っています。これからも一層の前進を期待したい取り組みです。