音楽文化の未来を担う受賞者たち - 第12回JASRAC音楽文化賞発表

第12回JASRAC音楽文化賞発表！音楽文化の未来を照らす受賞者たち

音楽の無限の可能性を引き出し、文化を守り続ける個人や団体を称える「JASRAC音楽文化賞」。今回は第12回目の授賞式が11月18日に開催され、受賞者が発表されました。今回はその受賞者とその活動に焦点を当て、音楽文化の発展をどのように支えているのかを探ります。

受賞者のご紹介

1. ぐらもくらぶ

音楽史の中で埋もれた貴重な資源を掘り起こし、復刻するためのレコードレーベルです。ぐらもくらぶは、実際にSPレコードから聴き取ることのできない音源を、CDとして新たに生まれ変わらせています。日本のジャズやタンゴ、ラテン音楽にとどまらず、昭和初期の秘曲まで幅広く手がけ、浅草六区や大大阪に関連する音源も多く復活させ、その成果は文化遺産としての価値を高めています。これまでに50作以上のCDをリリースし、音楽愛好者や研究者たちに新たな知識を提供しています。

2. 一般社団法人ＨＯＰＥプロジェクト

原爆によって傷ついたピアノ「被爆ピアノ」の修復と保存を行い、その音色を通じて平和の大切さを伝える活動をしています。このプロジェクトは、広島で原爆の影響を受けた河本明子さんが使っていたピアノを未来に受け継ぐことから始まりました。明子さんのピアノは2005年から多くのコンサートや平和学習の場で使用され、原爆の悲劇を忘れないための重要な役割を果たしています。

3. 株式会社矢川ピアノ工房

ピアノの修復や販売を手がける矢川ピアノ工房は、被爆ピアノの保存活動にも力を入れています。福祉施設への寄付や、全国各地で演奏会を開催することを通じて、音楽を通した平和のメッセージを広めています。特に、オスロでのノーベル平和賞コンサートでも被爆ピアノが奏でられるなど、国際的な舞台でもその影響力を発揮しています。