フードテックとリベラルアーツが描く未来の食卓とは？

2025年12月22日、食の未来を問い直す書籍『教養としてのフードテックリベラルアーツで問い直す「食の本質価値」』が刊行されます。本書は、株式会社UnlocXの代表取締役CEO、田中宏隆氏、Insight Specialistの岡田亜希子氏、さらには『WIRED』日本版編集長の松島倫明氏が共著した作品です。テーマは、「2050年、私たちは何を食べているのか？」という問いを基に、フードテックの視点からリベラルアーツが果たす役割を考察します。

この本は、『WIRED』日本版の人気ウェビナーシリーズ「フードイノベーションの未来像」をもとに、多様な分野の研究者たちとの対話を収録しています。この中には、慶應義塾大学医学部の宮田裕章教授やオックスフォード大学のチャールズ・スペンス教授、建築家の重松象平氏など、多数の専門家が名を連ねています。彼らの視座から、食とテクノロジー、さらには社会との関係性を深く掘り下げる内容が展開されます。

食の未来を見据える

本書では、2050年に100億人を超える世界人口に対処するため、新しいフードシステムが必要とされる理由が明らかにされます。特に、2030年を目指すSDGsのさらに先を見据えた「SWGs（持続可能なウェルビーイング目標）」についての考察も行われ、持続可能な未来に向けた新たな視座が提示されます。

さらに、教材的なアプローチから、パンデミックにより失われた社会とのつながりを、食を媒介に取り戻す方法が探られています。技術の進化が私たちに幸せをもたらすのかという問いは、現代においてますます重要なテーマとなっています。

読者へのメッセージ

この書籍は、食ビジネスに関わる方々だけでなく、食、テクノロジー、社会の関係に興味を持つすべての人々に向けています。多角的な視点を採り入れ、より良い食の未来を構築するための指針として、読者に新たな発見をもたらすでしょう。

本書の主な内容

1. はじめに：技術がひとを幸せにしない衝撃
本書の出発点として、現代技術の影響力とそのリスクについての考察がなされます。

2. なぜ「食の未来」にリベラルアーツが必要なのか
食の未来における文化や倫理的視点が示され、リベラルアーツの重要性が強調されます。

3. Food×リベラルアーツ賢者16人との対話
各界の専門家との対話を通じて得られた知見がまとめられています。

4. 教養から見えてきたフードイノベーションの本質
フードイノベーションの核心についての洞察が披露されます。

著者紹介

著者の一人、松島倫明氏は、『WIRED』日本版編集長として多様なメディアで活動しており、内閣府のムーンショットアンバサダーなども務めるなど、広範な経験を有しています。田中宏隆氏は、UnlocXのCEOとして、フードテックの社会実装に向けた活動を精力的に推進し、岡田亜希子氏も同社のInsight Specialistとして、未来の食生活に関するインサイトを提供しています。