音楽劇『エノケン』の製作発表レポート
2025年10月7日、東京のシアタークリエでの開幕が予定されている音楽劇『エノケン』。その製作発表が7月29日に東京キネマ俱楽部で行われました。
主役・市村正親の初披露曲
この製作発表では、主演の市村正親が劇中曲「私の青空」を初めて披露しました。その後、登壇したキャストたちがそれぞれの意気込みや期待感を語ってくれました。「エノケンを演じることの意味や、又吉直樹の書く脚本の素晴らしさを実感しています。チーム一丸となって、素晴らしい作品に仕上げたい」と市村は語りました。
物語の魅力
『エノケン』は、喜劇俳優・榎本健一の波乱万丈の人生を描いた作品です。彼は昭和の日本において人々に笑いを届け続けた伝説的な存在であり、若いころにはレビュー劇団「カジノ・フォーリー」での活躍がきっかけで、座付き作家としても名を馳せました。その後、エノケン一座という劇団を立ち上げ、時代をリードする存在にまで成長。ジャズとナンセンスギャグを融合させた彼の舞台は、傑作と称されています。
キャストの意気込み
松雪泰子や本田響矢などのキャストも、エノケンの姿を描くことに浮き立つ気持ちを表明しました。松雪は「又吉さんの脚本を読み、時間の流れがシームレスに展開する構造が魅力的だと感じています」と嬉しそうにコメント。本田は、父親役の榎本鍈一と若き劇団員の田島太一を演じることに対して「どちらの視点からもエノケンを見られる幸運を噛み締めています」と語りました。
さらに、豊原功補もまた、エノケンとの出会いからその後の人生を描く役柄に携わることができる喜びを表現し、熱意ある言葉を述べました。
公演情報
『エノケン』の東京公演は、2025年10月7日から26日までの期間で、シアタークリエにて行われます。さらに、11月には大阪、愛知、川越などでも上演計画があり、各地のファンからの熱い期待も寄せられています。
チケットの抽選先行受付は8月19日から開始され、一般発売も8月31日に予定されています。詳細情報についてはホリプロステージの公式サイトにてご確認ください。
結び
この音楽劇の製作を手掛ける又吉直樹は、自身が伝説の喜劇俳優を描くことに対して「エノケンの生き様を掘り下げていく中で、ただの歴史上の人物ではなく、芸人としての彼に魅了されている」とコメント。また、演出のシライケイタは「人間の血が通った作品を作り上げて、観客を笑わせることが目標です」と語り、創造的な意気込みを見せています。
エノケンの笑いの力がどのように蘇るのか、多くのファンが楽しみにしている2025年の上演に注目です。