ゆずの力で肌を守る!新研究成果
株式会社ポーラのPOLAイノベーションセンターが、高知県産のゆずの残さから抽出したエキスに関する重要な発表を行います。この発表は、日本香粧品学会学術大会での口頭発表として予定されており、スキンケアにおける新たな可能性を示唆しています。
研究の背景
ゆずは日本の伝統的な果物で、その香りや風味から幅広い人気を誇ります。しかし、通常は果実を食べた後に出る残さが捨てられてしまいます。この貴重な資源を利用して肌の健康に寄与できるかもしれないという観点から、研究チームはゆずの残さに注目しました。
研究の詳細
この研究は、東京工科大学の松井教授と共に進められ、ゆずエキスがヒトの表皮細胞であるケラチノサイトに与える影響を探求しました。具体的には、以下の2つの効果を確認しました:
1.
細胞内Ca2+濃度の上昇
ゆずの残さから抽出したエキスをケラチノサイトに添加すると、多くの細胞で細胞内カルシウムイオン(Ca2+)の濃度が上昇することが観察されました。これは、ゆずエキスが細胞内のカルシウムチャネルを活性化し、細胞機能を促進する可能性を示唆しています。
2.
TRPV4チャネルの役割
さらに、TRPV4チャネルという特定のカルシウムチャネルを介したCa2+の流入が確認されました。TRPV4阻害剤を添加すると、ゆずエキスによるCa2+濃度上昇が抑制されることが分かり、このチャネルの活性化が重要であることが明らかになりました。
これにより、TRPV4の活性化が皮膚のバリア機能にも関与していることがわかり、これは特に冬場の乾燥による肌の影響に対抗する手助けになると期待されています。
ゆずエキスの未来
冬の寒さや乾燥は肌に厳しい影響をもたらしますが、ゆずのエキスがそのバリア機能を強化し、美肌を保つための新たな鍵となる可能性があります。研究者たちは、ゆずの残さを有効活用することで、持続可能なスキンケア商品の開発へとつながると考えています。
まとめ
ゆずエキスによる肌への好影響が確認されたことで、今後のスキンケア革命が期待されます。また、この発見は、私たちが日常生活で捨ててしまう要素にも新しい意味を持たせることができるのです。この成果を携え、日本の美容業界は次なるステージへと進んでいくことでしょう。