創業100年の伝統、サス大酒平の新たな飛躍
静岡県焼津市に本社を置く株式会社サス大酒平は、今年の全国蒲鉾品評会において、名誉ある農林水産大臣賞を受賞しました。この賞は、約700点もの出品作品の中から選ばれる極めて名誉なものであり、創業100年を迎えた老舗メーカーとしての実力を証明した形です。
全国蒲鉾品評会とは?
全国蒲鉾品評会は、1947年に設立された日本かまぼこ協会が主催し、農林水産省の後援を受けて行われる、蒲鉾の品質を競う大会です。出品される蒲鉾は「美観」「食感」「風味」の三つの要素で評価され、審査は厳格そのもので、毎年200〜250社が参加しています。受賞には特に優れた製品が選ばれ、農林水産大臣賞はその中でも特に価値のある賞です。
受賞製品「湊(みなと)」の特長
サス大酒平が受賞したのは“湊(みなと)”という蒲鉾です。この高級蒲鉾は、伝統的な石臼製法でじっくりと仕上げられています。主な原材料には、白身魚の「グチ」を使用。グチは、その上品な風味と強い弾力が特徴で、石臼を使うことで素材の良さを余すところなく引き出しています。また、製品名の「湊」には、港町・焼津から人々に愛される蒲鉾を提供したいという思いが込められています。
職人の技が生んだ逸品
「湊」を手がけたのは、4代目の清水邦浩氏。彼は製造過程で様々な試行錯誤を重ね、絶妙な「弾力としなやかさの両立」を実現しました。まさにこの蒲鉾は“食の芸術品”といえるでしょう。製品に込められた職人の情熱は、食べる人を惹きつける要素でもあります。
この受賞がもたらす影響
近年、原材料価格や物流コストの上昇が影響し、経営は厳しい状況にあります。そこで、サス大酒平は製品の改良に努め、低単価モデルから高付加価値の製品へシフトすることが求められています。この度の受賞は、その第一歩とも言えるもので、今後は新たな顧客層をターゲットにした戦略の展開が期待されます。焼津発の高品質蒲鉾を、日本国内のみならず、海外市場にもアプローチする考えです。
サス大酒平について
サス大酒平は、静岡県焼津市にて1920年に創業され、蒲鉾やさつま揚げなどの水産練り製品を製造・販売しています。主な取引先は全国のスーパーや専門店、外食産業など多岐にわたり、地元の特産品として多くの人々に親しまれています。100年の歴史を誇るサス大酒平ですが、今回の受賞をきっかけに新たな飛躍を遂げることでしょう。公式サイトやSNSを通じて、今後の活動にも注目したいですね。