老舗の技術がもたらした新たな撥水加工
群馬県桐生市に本社を置く朝倉染布は、創業130年以上の歴史を持つ染色加工業者です。この度、同社が開発した「dewelry®0(デュエリーゼロ)」という撥水加工が注目を集めています。これはPFAS(パーフルオロアルキル化合物)を使用せず、かつ皮脂に強い新しい技術によって実現されました。撥水加工業界では、このような技術革新は非常に重要です。
PFAS規制とその影響
PFASは水や油をはじく特性から、これまで多くの用途で利用されてきました。しかし、その化合物は自然環境中で分解されにくく、生態系に悪影響を及ぼす懸念があるため、国際的に厳しい規制が導入されています。日本では既にPFOSやPFOAなどが規制対象となり、2025年からの規制強化が予定されています。これに伴い、アパレル業界でも非フッ素化への移行が急がれています。
「dewelry®0」の特長
朝倉染布が開発した「dewelry®0」は、これまでの非フッ素撥水加工の弱点を克服しています。特に皮脂汚れに強いという特性があり、衣料品としての日常使用においても高い撥水性能を維持。
- - 皮脂汚れに強い: 独自の成分を撥水剤に添加し、表面の凹凸で皮脂汚れを防ぐことに成功しました。
- - 超撥水効果: 水が生地の上を転がるような撥水性を備えており、見た目にも美しい仕上がりが特徴です。
- - 高い耐久性: JIS法に基づく試験でも、洗濯100回後に未だに高い撥水性を維持することが確認されています。
- - 柔らかな風合い: 新しい手法を採用することで、生地本来の柔らかさを保ちながら高い撥水性能を実現しました。
展示会での紹介
「dewelry®0」は、2025年の10月に東京ビッグサイトで開催されるファッションワールド東京で展示される予定です。アパレル業界における持続可能な選択肢として、多くの関心が寄せられることでしょう。
まとめ
朝倉染布の「dewelry®0」は、環境に配慮しつつ日常的な使用条件にも耐えうる革新的な撥水加工です。従来の撥水加工が抱える弱点を克服し、今後のファッション業界において重要な役割を果たすことが期待されます。これからの季節、衣類選びの基準も大きく変わりそうですね。今後の展開から目が離せません。