奈良市の経営者向け座談会で展開された人材活躍の取り組み事例

奈良市の経営者向け座談会での取り組み

2025年2月19日、奈良市主催の経営者向け座談会が開催され、約10社の地域企業の経営者が集まりました。特に注目されたのは、創業94年を迎えるレディース下着メーカー株式会社タカギの髙木鎮廣副社長の講演です。本イベントは、奈良市のワーク・ライフ・バランス推進事業の一環として実施され、経営者たちはタカギによる人材活躍の取り組み事例について学びました。

ワークライフバランスを実現するためのタカギの施策

タカギの登壇者は、奈良県の雇用状況を背景に職場環境の整備が急務であることを強調しました。特に奈良県は女性の就業率が全国で最も低いという厳しいデータが提示され、これは家庭との両立を目指す女性にとって多様な職場環境の欠如が要因の一つであるとされます。

タカギは、リモートワークやフレックス制度、病児保育の利用補助、オンライン産業医などの制度を投入し、社員が仕事と家庭を両立しやすい環境づくりを推進。これにより、若年層の採用が進み、社員の年齢構成比の改善にも成功しています。加えて、2017年に実施した「評価制度の導入」が成長を支える重要な要素として位置付けられ、社員の取り組みをより適切に評価することで、負担を減らしつつ会社に貢献できるチャンスを創出しています。

雇用問題に対する具体的なアプローチ

奈良県の女性就業率が全国最下位というデータは、地域の経済や社会において深刻な問題を浮彫りにしています。特に、就業を希望する女性の就労率が86%にとどまる一方で、県外での就労希望が急増している現状は、家庭との両立が難しい要因であると言われています。

タカギの取り組みは、このような課題に立ち向かうための有力な手段とされ、一つのモデルケースとして他の企業にも影響を与える可能性があります。

座談会の成果と参加者の声

後半では、特定非営利活動法人「パパちから応援隊」の赤松邦子氏をファシリテーターとして迎え、グループワークが行われました。参加者は、前半の講演を基に自社の取り組みを振り返り、他業界の経営者と意見交換を行いました。その結果として、具体的な課題解決に向けた新たな視座を持ち帰った企業も多く、アンケートでは「セミナー内容が包み隠さずわかりやすかった」との感想が寄せられました。