ディバージョンGのクラウドファンディング成功の裏側と今後の展望
株式会社ディバージョン(神奈川県川崎市)が、山形県鶴岡市にある老舗の松ヶ岡ガラス工業の事業承継を果たしました。この会社は、戦中から続く伝統あるガラス工場であり、日本最大級のガラスプレス成形工場として知られていますが、近年はエネルギーコストの高騰やデフレの影響で存続が危ぶまれていました。そんな中、ディバージョンはこの工場の技術と雇用を次世代に繋げるため、積極的な取り組みを見せています。
特に注目すべきは、彼らが行った海外クラウドファンディングの成功です。最近、ディバージョンが取り組んだ「ミルクガラス」のプロジェクトは、Kickstarterで開始からたった24時間で約$20,000(約300万円)を調達し、さらに「Project We Love」にも認定されました。現在、総調達額は$50,000を超え、プロジェクトページには多くの支持が寄せられています。このプロジェクトでは、機能性を超えた「感情」に訴えるストーリーが強調され、歴史ある工芸品を現代に取り入れた新たな魅力を発信しています。
背景:老舗の存続への挑戦
松ヶ岡ガラス工業は、長年にわたり高い技術力を誇ってきましたが、環境の変化に伴い苦境に立たされていました。ディバージョンが承継後、老朽化した設備の改善や新商品開発に取り組み、地域の方々に「身近な工場」であることを知ってもらうためのバザー&オープンファクトリーを開催しました。この反響は大きく、地域社会との橋渡しを果たしています。
しかし、国内のみでは厳しい現実が待っていました。そこで、ディバージョンは海外輸出を視野に入れ、本格的な展開に踏み切りました。
感情に訴えるアプローチ
今回のプロジェクトで強調されたのは、「機能性ではない切り口」です。一般的にテーブルウェアは、使いやすさや耐久性が重視される中、ディバージョンは「スローリビングの美しさ」「手仕事の温もり」「日常に寄り添うノスタルジー」といった情緒的な価値を前面に打ち出しました。この斬新なアプローチにより、短期間で多くの支持を獲得できたのです。
グループとしての戦略
ディバージョンは、松ヶ岡ガラス工業だけでなく、常滑焼や波佐見焼の問屋も承継しており、地域ものづくりを国内外に発信することをミッションとしています。また、生活雑貨のOEM企画において培った企画力を活かし、今回のプロジェクトを成功に導きました。これが海外クラウドファンディングでの初の試みであり、「Project We Love」の認定は、グループの企画力が国際的にも通用することを示す一歩となります。
未来への展望
ディバージョンは、今後も事業承継を通じて日本の地域工芸の灯を守り続けるために、さらに多くのチャレンジを行っていく予定です。2026年8月には、アメリカのデザインギフトショー「NY NOW」への出品が決定しており、松ヶ岡ガラスの技術力をさらに広める準備を進めています。彼らは、日本の伝統を守りながら新しい価値を提供する企業として、今後の成長が期待されます。
【会社概要】
社名:株式会社ディバージョン(DIVERSION CO.,LTD.)
所在地:〒210-0022 神奈川県川崎市川崎区池田1丁目10-6 エスポワール北辰1階
代表者:代表取締役 石田英之
事業内容:服飾雑貨および生活雑貨の企画・製造・卸売、地域老舗企業の事業承継およびブランディング支援
TEL:044-280-7017
FAX:044-280-7018