近代フランス音楽の新たな潮流
フルート奏者の瀬尾和紀が創設したインディペンデント・レーベル「Virtus Classics(ヴィルトゥス・クラシックス)」から、近代フランス音楽を代表する作曲家フィリップ・ゴーベールの室内楽作品集が2026年2月に配信リリースされました。このプロジェクトは、これまでほとんど知られていなかった彼の音楽的側面を広めることを目指しており、特に未発表作品の録音が含まれている点が特徴的です。
ゴーベールは、自らがフルートの名手であるにもかかわらず、実はヴァイオリニストとしてキャリアを開始したことがあまり知られていません。この新しいアルバムによって、彼の多面的な才能に光が当たることは間違いありません。ベル・エポックに生きた彼の音楽は、当時のサロン文化と結びついており、彩り豊かなメロディや切なくも美しい抒情に満ち溢れています。
アルバムの魅力
本プロジェクトには以下の2タイトルがリリースされます。
1.
「ゴーベール:フルートとピアノのための作品全集」
フルート奏者の江戸聖一郎が参加し、瀬尾のピアノによる全体的な演出が施されています。優美で繊細な演奏は、フランス音楽のエッセンスが凝縮された見事な仕上がりです。
2.
「ゴーベール:ヴァイオリンとピアノのための作品全集」
フランスの名手ニコラ・ドートリクールによるヴァイオリンの演奏が特徴ですが、瀬尾がピアニストとしてしっかりとサポートを行っています。この作品集では、より深い抒情性が演出されており、ゴーベールの音楽の魅力を余すことなく感じ取ることができます。
知識の宝庫
リリースされたCD版には、音楽学者の髙柳鞠子による詳細な楽曲解説が含まれるブックレットも付いており、聞き手にとって非常に価値ある情報が提供されています。この解説はゴーベール研究の最新の成果を反映したもので、音楽ファンにはぜひ手に取ってほしい一冊です。なお、配信版にはブックレットは含まれませんのでご注意ください。
Virtus Classicsの信念
「Virtus Classics」は、2013年の創設以来、選曲から録音に至る全行程にこだわりを持っており、新しい音楽の発見を目指しています。最近リリースしたアルバムは多くの音楽誌や新聞に高く評価されており、特に「モダン・タイムズの妙巧」や「ソナタ ミラージュ」はレコード・アカデミー賞を受賞するなど、クオリティの高さが認められています。これらの成果は、アーティストたちの創造性を引き出すプロデュースの賜物です。
フルートとヴァイオリン、そしてピアノの美しい饗宴を楽しみながら、ゴーベールの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。音楽の新たな魅力を発見する絶好の機会です。