ファッション業界の人材確保が鍵に!
2025年に向けて、ファッション・ビューティ業界の人事における課題解決を目指した人事交流会が、株式会社iDAによって開催されました。東京都渋谷区に本社を構えるiDAは、業界特化型の人材サービスを提供しており、今回のイベントでは企業の採用担当者約50名が参加しました。セミナーを通じて、iDAのRPO(採用代行)事業責任者、越智則禎氏が2025年の中途採用市場におけるトレンドや、その実践的な対応策について講演しました。
2025年の採用市場に向けたトレンド
越智氏によれば、2025年の採用市場では競争がさらに激化すると予測されています。まず注目すべきは、
有効求人倍率の上昇です。コロナ禍で一時的にショックを受けた求人倍率が、2021年からは急速に回復し、特にファッション業界では約2.5倍に達しているとのこと。このため、企業は優秀な人材を獲得するために採用活動の戦略を見直す必要があります。
また、
日本の生産年齢人口の減少も懸念材料です。団塊世代が後期高齢者となり、2025年には約505万人の人手不足が予測されています。この状況は2030年には710万人に達する可能性があるとされており、企業はますます厳しい採用環境に直面するでしょう。
採用活動の新たな潮流
次に、求職者の採用活動における視点も変わりつつあります。給与や福利厚生に加え、職場文化やワークライフバランス、キャリアパスの明確さ等、多角的な視点から企業を選び始めています。したがって、企業は自社の魅力を効果的にアピールし、求職者に興味を持たせる戦略が求められます。2025年以降は急募の応募者を集めるだけでなく、長期的な人材確保戦略にシフトする必要があります。
潜在層へのアプローチの重要性
越智氏は、
「多面的な視点×潜在層への魅力付け」が採用の成否を分ける時代に突入したと強調しています。企業のビジョンや働き方、プロダクトを魅力的に感じさせるコンテンツを発信し、潜在層の関心を喚起することが求められています。求職者の中には「今は転職したくないが、機会があれば」と考える潜在層が多数存在しています。この層に向けた採用戦略が、企業にとって重要なカギとなるでしょう。
新しい採用手法の導入例
具体的な取り組み例として、まずは
ダイレクトリクルーティングの活用が挙げられます。戦略的にスカウト活動を行うことで、応募率を安定させることが可能です。スカウトメールの題名やタイミングを工夫することで、顕在化した応募者に効率良くアクセスできます。
また、
過去応募者データの活用も効果的な方法です。過去の選考過程で離脱した応募者に再アプローチすることで、低コストで人材を獲得できる可能性が高まります。特に、書類選考を通過したものの何らかの理由で離脱した応募者は、数ヶ月後にライフステージの変化から再度転職を希望するケースが多いため、早期のフォローアップは重要です。
企業の未来を見据えて
越智氏は、2025年以降の採用がさらに厳しくなることを踏まえ、企業は積極的に新しい採用手法を取り入れ、効果的な仕組み作りが必要だと警鐘を鳴らしています。企業の人事担当者とともに進むiDAのRPOサービスは、最新の市場情報と効果的な採用手段を提供し、業界の発展に貢献していきます。
参考情報
1999年に設立されたiDAは、ワールド・モード・ホールディングスのグループ企業で、ファッション・ビューティ業界に特化した人材サービスを展開しています。年間約1800人の社員転籍を実現し、業界ニーズに応じたトータルサービスを提供しています。