千葉県いすみ市でカギケノリの初収穫を実現
最近、千葉県いすみ市で新たな試みが始まりました。株式会社アルヌールが、A'Culture株式会社との提携に基づき、カギケノリの陸上養殖に成功。これにより、陸上での大規模なカギケノリの初収穫を実現したのです。
陸上養殖の背景
カギケノリは、微細藻類の一種で、環境保護や持続可能な食料生産に寄与する可能性がある海藻です。アルヌールはこれまで東京都豊島区にあるR&Dセンターでカギケノリの養殖に取り組んできましたが、A'Cultureとの連携を通じて新たなステップを踏み出しました。
昨年4月に業務提携を結び、千葉県の最新設備を利用した実証試験が行われてきました。この施設では、1000L以上の大規模な培養槽が設置され、養殖環境の整備が進められました。特に、夏場の高温にも関わらず、安定した配偶体と四分胞子体の生育が可能になった点が大きな進展です。
養殖技術の進化
このプロジェクトの成功には、アルヌールが持つカギケノリに関する専門知識と、A'Cultureが積み重ねてきた陸上養殖技術の融合が大きく寄与しています。今後もさらなる規模の拡大と生産量の向上を目指し、研究開発が続けられる予定です。
現在の環境では、アワビ養殖用の海水が利用されており、これがカギケノリにとっても良い成育環境を提供しています。今後の展望として、バイオスティミュラントを使った培養試験が行われ、生育スピードや機能性成分の向上が期待されています。
環境への影響と持続可能性
「カギノワ」という取り組みを通じて、カギケノリが畜産業の脱炭素化に寄与することを目指しています。カギケノリを用いた飼料を牛に与えることで、温室効果ガスの一種であるメタンの排出を抑制する研究が進められています。また、カギケノリの養殖は、海中の二酸化炭素を削減しつつ、海洋生態系の回復にも貢献する可能性があります。
このプロジェクトは、地域の自治体や企業とも連携し、持続可能な社会の実現を目指しています。現在、多くの企業や畜産農家、研究者が参加しており、今後の展開が期待されます。
企業紹介
A'Culture株式会社
A'Cultureは千葉県いすみ市で、国産アワビの陸上養殖に力を入れています。持続可能な養殖システムを通じて、日本の水産資源を守ることを目的としています。
株式会社アルヌール
アルヌールは微細藻類の培養を基盤にした技術提供を行っており、環境分野への取り組みにも注力しています。カギケノリを使った新たなプロジェクトの展開により、日本の畜産と漁業をつなぐ未来志向の活動を行っています。
千葉県いすみ市のカギケノリ養殖プロジェクトは、海と陸を生かした持続可能な新しい取り組みとして、様々な可能性を秘めています。これからの成果に期待が高まります。