静岡県裾野市で進化する食用油の紙パックリサイクル
使用済みの食用油の紙パックが、2025年4月1日より静岡県裾野市で初めて行政回収されることになります。これは、TOPPAN株式会社、J-オイルミルズ、コアレックス信栄の3社が連携し構築した新たなリサイクルシステムによるものです。
新たなリサイクルシステムの成立
これまで、食用油の紙パックは、内容物の残余を洗浄する際の排水への影響から、一般的に可燃ごみとして扱われていました。しかし、今回の取り組みにより、利用者が「使いきって、たたんで、キャップをして」リサイクルのプロセスを完了させることで、資源ごみとしての回収が開始されます。この新しい方法は、生活者にとって手間を減らし、リサイクルへの参加を促すものです。
取り組みの背景
環境問題が深刻化する中、持続可能な社会の実現は急務です。特に、プラスチックごみの削減や地球温暖化対策が求められています。この流れの中で、紙容器はプラスチックよりも環境負荷が少ないため、ますます注目されています。牛乳パックや一部の酒パックのリサイクルは普及していますが、食用油の紙パックについては長らく道が閉ざされていました。
TOPPANは、J-オイルミルズによって使用される「EP-PAK」を開発し、この革新的な容器を使うことで「スマートグリーンパックシリーズ」を展開し、環境負荷を低減させています。2025年からは裾野市での回収が始まり、さらなる普及が期待されます。
具体的な取り組み内容
リサイクルシステムの構築には、各社の専門分野が活かされています。コアレックス信栄は、回収した使用済みの紙パックを再資源化する役割を果たします。また、J-オイルミルズはリサイクルの適性評価や啓発活動を通じて、この取り組みを支援しています。TOPPANはリサイクルプロセスの全体設計を担い、利用者への分別方法の理解を深めています。
この連携により、行政の回収対象に食用油の紙パックが追加されることで、リサイクルを通じた循環型社会の形成に寄与することが目指されています。
持続可能な未来へ
食用油の紙パックのリサイクルが進むことで、紙資源の大切さが再確認され、リサイクル意識が高まります。裾野市始まりのこの取り組みが全国に広がることで、他の自治体でも同様のリサイクルシステムが導入されることが期待されます。
未来には、使用済みの食用油の紙パックが再生紙やトイレットペーパーとして生まれ変わることが期待されており、これにより持続可能な社会への一歩を踏み出すことができるでしょう。
私たち一人ひとりの小さな行動が、大きな環境への影響を与えることを忘れずに、リサイクルや資源の有効循環に取り組んでいきたいものです。