新たなる「VM」の魅力を探る
昨年に引き続き、VISUAL MERCHANDISING STUDIO株式会社が国際ファッション専門職大学(PIIF)で講義を行っています。今年の最初の講義は東京キャンパスで開催され、堀田健一郎氏が最新のヴィジュアル・マーチャンダイジング(VM)の手法について詳しく解説しました。特に注目すべきは、VMがどのように従来の「VMD」と異なるのかという点です。
新しい『VM』とは
これまでの「VMD」は、主に売り場の演出や商品陳列によってブランドのイメージを伝える手法でしたが、堀田氏が提唱する新しい『VM』は、店舗全体をブランド体験の場として捉え、より広範囲なアプローチを取ることを重視しています。ストーリーテリングに基づいたデザインは、顧客の五感に訴えるように工夫されており、動線設計や空間デザインまでが含まれます。これにより、ブランド価値を最大限に引き出すことが可能となるのです。
経験を活かした講義内容
講義では、堀田氏が実際に自身が携わったプロジェクトでの事例を交え、近年注目されているサステナビリティのテーマについても触れました。社会情勢がVMのトレンドに及ぼす影響について語る堀田氏からは、多くの貴重な知識を学び取ることができました。環境に配慮した素材選びや施工方法など、現場での試行錯誤を交えた内容は、学生にとって学びが深まる内容でした。
学生の反響
参加した学生たちの声も印象的です。「これまでVMDは販売促進に特化していると考えていたが、実際にはブランドのイメージを定義するものであった」という感想や、「VMにはロジカルな思考が必要で、センスだけでは成り立たないということに気づいた」という意見が聞かれました。特に、講義を受けたことで広い視野を持ち、さまざまな経験を積んでいく意欲が強くなったと語る学生も多くいました。
VMSの取り組み
VISUAL MERCHANDISING STUDIOは2020年から「VMSアカデミー」を開講し、次世代のヴィジュアルマーチャンダイザーを育成しています。堀田氏自身が大学や専門学校で特別講座を行い、最新のヴィジュアル・マーチャンダイジングに対する理解を深める機会を提供しています。このような教育を通じて、学生たちがファッション業界で活躍できるような人材育成を目指しています。
アジア市場の動向を踏まえ、堀田氏は日本のヴィジュアルマーチャンダイジングの重要性にも触れ、世界的な観点からもその影響力を再認識したと語ります。
未来のファッション業界へ
講義の最後に堀田氏は、世界のファッション業界で成功するためには、自身の視野を広げ、多くの経験を積むことが重要であると強調しました。これからのファッションが求められるのは、ただの商品提供ではなく、顧客に感動を与える体験を提供すること。
このような新しい視点を持つことで、学生たちが今後のファッション業界に革新をもたらすことを期待しています。
進化し続けるウィジュアル・マーチャンダイジングの世界。堀田健一郎氏の講義を通じて、学生たちがどのように成長し、未来のファッション業界に影響を与えていくのか、非常に楽しみです。
参考資料
- - VISUAL MERCHANDISING STUDIO株式会社 公式サイト
- - 国際ファッション専門職大学 公式サイト